日記なんて書くのはいつぶりだろう。
あまり好きじゃないんだよな。こういうのを書くのって。


村にいたころに、ばあさん（俺の槍の師匠だ）に言われてしぶしぶ書いてたけど「今日は魚の塩焼きがうまかった」とか「今日はババアにすげぇ怒られた」とか書いてた。
ばあさんに「日記はどうだ」と聞かれて、さっきの内容のことを言ったら呆れた顔をされた。ついでに、もっと自分がその時感じたこと、思ったことを素直に書いていけばいいと言われた。
そんなことを書くことに意味があるのかと聞いたら、「そのうちに分かるさ」と返された。未だにばあさんが言った意味は分からない。

で、なんで俺がサボってた日記をこうして書くようになったかというと、たまたま表紙が気に入って手に取ったものが、たまたま日記を書くのにちょうどいい手帳で、たまたまばあさんに言われたことを思い出したからだ。


……なんか日記っぽくなくなったような気がするが、今日は昔のことを思い出して「素直に」書いたんだから、今日はこれでよしとしよう。




ばあさんのことを思い出したら、ついでに思い出したくも無いきつい修行の日々も思い出して憂鬱になってきた。
今日は何か美味い物を食べて気分を変えるか。