（羽根ペンがひとりでに動き、手帳へ文字を綴っている）

王城の真ん前側で反乱活動……"一揆"の算段を語っていた彼らに
突如しばかれ、しばきかえし、後に感嘆されて放り出された後、
特に当てはなく平原を進む事にした。

ある補給点で目に止まったのは、気配は皆無、輪郭も朧気な、
灰色（というより色と呼べるものがないのだろう）の人影だった。
そも人であるのかも確証も無かったが、単独で、途方に暮れていた
私の様子を見かねたらしく、色々と旅の世話を焼いてくれた。
どうやらいい人?のようだ。我ながらちょろい。

これも何かの縁さ、という奴の言葉に任せ、彼——と呼ぶべきなのか
まだ判断はついていない——とその仲間らと歩き始めてで二日目。

未だ実体が掴めず、分かったのは武器がごぼうだと言う位の ？しょうたいふめいA、
パーティー要の前衛だが、雨風に致命的に弱い ？しょうたいふめいB、
まともな弓兵だが小水が小一時間以上続く謎の壮年男性。

明日にはこの手記が遺言となるやも分からぬ。奴の人を見る目と
私のちょろさに絶望しつつ、今後の戦いに備え、防具を新調しておく事にする。