前回のあらすじッ！！荒いッ！！



大変なことになりそうなフラグを立てておきながら、何事もなくキラーインコその他大勢を始末したボクシーさんがハーレムＰＴ。

このPT名を考えた人は大体分かってますが、怒らないから正直に名乗り上げましょう？


ところで見てくださいよこの二人。

森の探索を終わらせ、再び平原へと舞い戻ったボクシーさんがハーレムＰＴ。

またキラーな連中に囲まれつつあるが、ここで一つボクシーと言う男が一体何者なのか。
少々語っておくことにしようか。

ネタがないわけじゃないぞ、いいね？


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著作権的に恐らくアウトなので詳しく名前を出すことは出来ないが、彼はメルンテーゼの人間ではなく、別世界の人間であることはご存知であろう。
その世界の…ガ国とでも言っておこう、そのガ国で彼は生まれた。

山岳に囲まれた小さな村で生まれた彼は、幼い頃に両親を山での事故で亡くしており、唯一の肉親となった妹と暮らしていた。
幼い子ども二人での生活は当然苦労したが、村人達に支えられながら二人は健やかに成長していった。
彼は正義感の強い少年だった。
妹を守るために、強い男にならないといけないと日々考えていた。
幸い、彼の住んでいた村には、「ホセ・メンドクセー」と言う自称・元ガ国チャンピオンを名乗るボクシングと言う格闘技を使う男がおり、彼からボクシングを学び戦いにも通じていた。

しかし、そんな彼に悲劇が訪れた。

山岳を荒らしまわっている山賊に、村が襲撃されてしまったのだ。
物資は奪われ、村人の命も奪われ、そんな中にも妹がいたのだ。
彼は幸いにも、その時は隣の村にいたため、その悲劇に巻き込まれることはなかった。
だが、自分を支えてくれた村人達、そして最愛の妹を彼は一瞬にして失ってしまったのだ。


彼は咆哮し、自身の運命を呪い、そして荒れた。

このとき、彼は13歳であった。


山賊への復讐を抱きつつ素行の荒れた彼は、護身術であったボクシングを戦闘術へと変え、時には魔物と、時には人と、時には戦場へ出て戦いという世界に身を置くことで己を保っていた。
そしてその経験は、いつか山賊達へ復讐を遂げるために…。


18歳のときであった。
彼は一人の聖職者と出会った。
その聖職者こそ、今の彼が聖職者である理由なのであるが、彼はラヴナリス教団という女神ラヴナリスを信仰する宗教団体のトップであった。
名前を「ミッチー・ビクーノ」といった。
彼は宗教などというものは胡散臭いものであり、正直毛嫌いをしていたのだが、このミッチー牧師との出会いが彼の人生を変えることになる。

聖職者とはとても「キレイ」な存在であり、それが故に非現実的思考を持った存在と思っていた。
しかし、このラヴナリス教団は思っていたよりは自由なものであり、ミッチー牧師も実に自由で人間臭く、しかしどこか「キレイ」さを持った不思議な人間だった。
そしてこのミッチー牧師と彼の共通点として、過去に肉親を殺されて復讐心を抱いたことがある、と言うものだった。
しかしミッチー牧師は、復讐と言うものが如何に虚しいものか気付き、今ではそんなものを微塵も抱いていないという。

そんなミッチー牧師に次第に惹かれていくわけだが、彼が聖職者となる道へ進んだ理由の一番としては、実際に彼の前に女神ラヴナリスが現れたことであった。
何せ「神」と呼ばれるものが目の前に現れたのである。非現実的存在が現実として居たわけなのだから、彼も信じざるを得なかったのだ。

少女の姿をしたこの女神もまた自由であり、喜怒哀楽がはっきりしており、まるで子どものように振舞い、時にはいたずらもし、だが時には大人のように振るまい、そして何よりもこの世界を愛していた。
ふらっとどこかへ消えたと思えば、ふらっとまた姿を現し、世界を見回ってきたと言えば世界の楽しさと美しさと、時には残酷さを語った。

彼はこの二人を通じて、自身の世界の狭さとこの世界の広さを知った。
そしていつしか、この世界をもっと知って、この世界の美しさを守りたいと思うようになってきた。
この世界の広さに比べれば、復讐など如何にちっぽけなものか、彼は考えてその虚しさに気付いた。


いつしか彼は、ラヴナリス教団へと入団し、「ボクシー」と名乗り教団の聖職者となったのであった。



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そんな彼がなぜこのメルンテーゼへ喚ばれたのか、その話はまた今度にしよう。