【あらすじ】
同行人は７人のかわいこちゃん！誰に手を出してもキーリアの苦労は絶えなそうだ！
ハラハラドキドキ（PS不足的な意味で）なこの旅、一体この先どうなっちゃうの〜！？



————— ３日目、戦闘終了後

ぐったりしたマーメイドを前に、キーリアはネクターを懐から取り出した。

額にそっとネクターを当ててみたり、ぶんぶんと振ってみたり、祈ってみたり、
…考え得るありとあらゆるコンタクトを図るも、その紅い花は沈黙を保ち続けている。

頼みの綱のエンブリオは、キーリアの頭の上でくつろいでいる。

キーリアは軽くため息を付き、ネクターをくるくると指で回している。
シュプーはふわふわとネクターに近づくと、ふんふんと香りを嗅いだ、直後。

食べた。

（これだけ多種多様の人種を見るのは興味深い……あまり遠くへは行かないように、現在の旅の連れに言い含められていたのでどちらかといえば人の流れを観察していたというのが正しい。
が、左右色違いの瞳が、ある一点、目前を通る人物の連れなのか、ある“何か”に注がれる。そこに居たのは——）

（淡々とした口調で呟きつつ、少女はその不可思議な生物との距離をすたすたと無造作に詰めると——華奢な容姿に反して機敏な動きで、その耳をむぎゅ☆　と掴もうとする。その不可思議な生物に気を奪われているのか、傍らのシアングリーンの髪と瞳を持つ人物の方がその不思議生物の連れではないか、はたまた飼い主なのか。そもそも触れるのに許可なりが要るのではないか、といった発想は全くなさそうだった——）

（ＰＬ：キャラさんの魅力とシュプーさん触って見たい！に負けて……ナナメにずれたサブキャラなので、失礼だったら適当に追い返して下さい…一応オンナノコです←…。）

----------キリトリ-----------

----------キリトリ-----------

彼女は、掌より多少大きな板キレを取り出して見せる。どうやらコレが彼女のいう「スマホ」という存在のようだ。

　
　あぁ、止まらない。どうにも口が止まらない。
　そして近づいて観察すればわかるだろう。今話しているのが彼自身ではなく、
　その首に巻き付いているマントであるのだと。

　饒舌に流れていた言葉が不意に途切れた。
　襟元のマントを引っ張り口を閉ざしたのと同時に、紅い瞳の少年が言を放つ。

　
　そう言って、答えを待つ。

蠍は、キーリアの言葉にゆっくりと頷く。
無表情で解りづらいが、嬉しいのか尾を振っている。

呼び名に困るキーリアに対して、何も解っていない蠍は首を傾げた。

額押さえて首を傾げる。微笑みかけられると一度眼を瞠って、それから視線を逸らした。

直視するのを少し躊躇する程度には、その。視線を逸らしたのはそのせいだった。失礼に取られたりしなければいいと思いつつも、綺麗ですねと素直に口に出来るほどの度胸も無く、結局逸らしたままで。

違う世界から来たんですか。そう尋ねようと相手を見上げたが、言葉は途切れる。だってその瞬間少女は見てしまったのだ。
目の前の彼女の傍に居たエンブリオ。
うさぎを。

視線はうさぎさんに釘付け。そして動かなくなった。