S.本日1000
マーメイド、その他の殲滅を完了。
特に手ごわい相手ではありませんでした。
ですが、マジックチャージという機能は現在の私の武装には適合しないと判断。
新たな武装を手に入れるまで封印が安定と考えます。

同日1300
水浴びをする兵士を発見。
どうやら武装を手にしていないようです。
敵対するには好都合。装備の間を与えずに殲滅いたします。

水着のみという兵士の姿に、若干辟易としているようだ。

思わず胸部に視線がいってしまっている褐色の少女が一人。身長差的に仕方がないのかもしれないが。

そう言って、エレネと名乗った少女は手を差し出した。

背後から声をかける。

今回は特に敵意は向けてない。

　
　声をかけられるその先に、その朱の瞳は未だ知らぬ来訪者を見つめ返していた。
　声を聞いて敵対する存在ではない、という事に気付いたのか。
　全身を覆う緊張感は幾分か和らいだかのように感じられた……のだが。

　
　自身の事を認め、相手の事を認識する。
　恐らくは同じような経緯を経て、創り出された存在同士なのであると。

近付いて来たぐりに気付き、笑顔を返す。

頭を撫でられ、一瞬、擽ったそうな顔をして。

軽く押し退けられるような感覚に襲われ、少々困惑気味に後ろに振り返る。
人がぶつかってきたのだと分かると、どこか納得したようにコクリと頷いた。

相手が自分と同じ目線に合わせてきたためか、若干たじろぎ。

自ら率先して後ずさりした。

そう言って、彼は木気を帯びた剣……という名の杖を抜いて構えた。