「一揆生活　△■日目」


　不思議なエンブリオとの出会いもそこそこ。今回の相手は兵士だった。一揆を起こされるほどの王に仕える配下、どんなものかと思ってみれば———ただの変態だったな、あいつら。ブーメランパンツとか今日日はやんねーぞ？いや、面白くはあったが、うちのPT面子と紅月にあのウィスプには目に毒だろう。念入りにつぶして置いたがまだ生きてたみたいだしなァ。流石にお嬢ちゃんや少年もあの血は吸う気にならねーのか、特にトドメも刺さなかったみたいだしな。
　そうそう、あのウィスプには、ルーク/聖なる焔と名付けた。どこかで聞いた由来だが、淡く光り、焔を繰り出すアイツにはぴったりだろう。個人的にも気に入っている。
　作製、とやらが存外楽しくて気に入ってもいるな。調子に乗って依頼も受けてみたがまぁ、まずまずなモノは作れただろう。今後はPTメンバーのも造っていかなければな、楽しみだ。
　……PTと言えば、ネロが最初に練習試合をした相手と懇意になっていたらしい。今後、一緒に活動する小さい連合/ギルドのように動くそうだ。テストケースとして、次回には花音という少女と共に平原へ行くことになるらしい。ま、これもまた楽しみだなァ。
　
　
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「それで王様、この子に付いて分かったのかしら？」
「ウィスプと言われるエンブリオ、という程度だな。
　本人から聞ければ一番なんだろうが……さて、この調子だとなァ」
　
　魚がちゃぷんと、跳ねる音が響いて聞こえる程静かな夜。東と紅月は推定ウィスプと共に川岸で見つめ合っていた。淡く光る月を川が反射し、金髪の少女を幻想的に輝かせている。東達の問いかけに対しても疑問を浮かべるだけで不思議そうな表情をしてほわほわとふらふらと漂っている。ふと、東の視線に気が付いたのか金髪の少女は不意に顔をあげ、じぃと東を見つめる。にこりと微笑みそのままとてとてと小さく駆け寄り腕に抱きついた。
　
　「とっとっと？」
　「〜♪」
　
　子供の用に懐く少女に思わず顔が綻ぶ東と対照的に紅月の機嫌が下がっていく。それを察したのだろうか金髪の少女は紅月の顔を見つめると、そのまま紅月に飛び掛かり抱きしめた。甘えん坊なのだろうか、にこにこと上機嫌に甘えてくる少女に紅月も毒気が抜かれたのか最初は抵抗していたが徐々に抵抗もなくなり、最終的には手を回し返して抱きしめていた。東はその様子を見るとくすりと笑いにこやかに二人の様子を見つめ続けている。
　月明かりに照らされる少女二人の姿は神秘的な雰囲気を醸し出しており、二人はふわりと浮くとそのまま水面の上で浮かび上がり互いの意志を疎通するように、距離感をつかむように踊り始める。

　ぴちぴち、ちゃぷん、ぽちゃん
　
　水が跳ねる音を背景に踊る二人は共鳴しているのだろうか、紅月は周囲に紅蓮に燃える炎を。ウィスプは淡く光り輝く焔を漂わせ動きに合わせてこれも連動させて躍り謳う。観客は東と——空に浮かぶ月だけがその光景を見つめていた。
　
　——あの光からは、聖なる力を感じる。
　東はぽつりと呟き、二人の動きを眺めながら考える。なぜあのウィスプが付いてきたかどうかについて悩むのもそうだがこれからの事も一緒に。<<姉探し>>それが風斬東の目的だ。しかし、この世界に来てからはあまりその目的に対する行動を取れていない。もどかしくも感じるがそれは今後新しく出会う人々に尋ねていくのも悪くないだろう。焦っていてもしょうがないことだ。姉がもしこの世界に居るのならば、聞き込みを続けていれば見つけることは出来るだろう。等々他愛のない事を思考を一転二転と転がしながら、とりあえずの結論を思い浮かべる。
　
　——ウィスプの名前を考えないとなぁ。
　そうそう、ウィスプが何故付いて来たかについてだ。このまま共に旅をすればいつか聞けるだろうか？悪意は無いように感じる。紅月ともああして一緒に遊ぶことを見る限り特に問題が起こることも無いだろう。そこまで考えた時ふと東はあの少女に名前を付けていないことに気が付いた。いつまでもウィスプ、だと味気が無いのだろう。少し東は目を瞑り静かに思考する、彼女に相応しい名前を付けるために。
　
　
　「……聖なる、焔。そういえば、昔聞いたモノで——……」
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　……こうして、きんいろのしょうじょに「名前」が生まれて、そうして風斬東との契約は結ばれ彼が背負う者がまた一つ増えたのだった。

　少年は浅く息を吐き、眉を顰める。どうやら吸血鬼というものに、然程良いイメージは無いらしい。

　肩を竦め、首を傾げて問いかけてきた。

少女は君の言葉を興味深気に聞いた後呟く

困ったように少女はそう口にした。

礼を告げ、少女は自らの連れの元に戻っていった。

と、強気に言ってるが、どう考えても迷子になってるオロオロしていた少女は強気に
東に言い放つ。
東はそれを「はいはい」といった感じで受け流し
彼女を背中に載せる

そういって、文は東の背中に乗り、そして東は飛翔する

なんか、後ろで騒いでる文を尻目に、東は目的地へと到着する

なんか、色々と死にそうな顔してるが、必死に東にお礼をいい彼女はPTへと合流していった

しばらく考えこみ、思い出そうと虚空に視線をやり……

ぐりは、無関係、という答えを聞き、まったく表情を変えずに銃を降ろす。

がしっ！