Ｏの月　４の日。

おかしな相手に遭遇し、早速日記の記載が滞ってしまいました。
反省しなければ。
あの相手は国王軍の者でしょう。
ふざけた相手ですが、実力はそれなりにありました。
この世界での戦い方、エンブリオの力をもう少しうまく利用出来れば勝てるようにもなるでしょう。
その力を早く身に付けられるように精進しましょうか。

この反旗での聞き得た情報もいくつか書き記しておきましょう。
まずこの反旗において、参加者同士での争いは禁じられている。
ただし全てが禁止では無く、腕試しとなる練習試合は逆に推奨されている。
禁止となるのは、本気で傷つけ合う行為、略奪行為、殺し合う行為。
まあ当然と言えば当然でしょう。
禁を破った者は賞金首とされ、大きな不利益を負わされる。
他の者から咎め追われる身となること。
禁を破った者に対してはその禁の制約から外され、推奨する報酬まで用意されている。
他の者との取引禁止。
取引は援助行為とみなされてしまうため、皆に注意が必要とされ徹底される。
そしてなにより、他の者に悪名として知れわたってしまうこと。
それは安息の生活が送れなくなってしまうということ。
まったく、厳しいお話ですね。
こんな条件を出されたら禁を破る者などいるのか。
今は決起人達の監視があり、争いは常に未然に防がれていると聞きます。
ですがそれはずっとでは無く、いずれ禁を破る者が現れるのか。
ま、馬鹿者はどこにもいるものですし、きっと現れるのでしょうね。

私はそんな馬鹿者にならぬよう賢く生きましょう。
今この世界にはとても素晴らしい者がいるのですから。
いや、いない者ですね。
いない者がいる、となりますので少し言葉がおかしいでしょうか。
言葉遊びですかね、それも楽しいものです。
では本日もこれから出会いに行きましょう。
他の世界からこの世界に訪れた勇敢なる者に会いに。
この世界にまだ認識されていない者に会いに。
泣き叫び、死んでも、誰にも気付かれない者に会いに。