第４話『歩かない雑草』

　マーメイドが必死に回避を試みるもそれは徒労に終わった。
兇器と化した龍魚の死骸はマーメイドの上半身を爆散せしめた後、
勢い余って岩に激突しこれまた爆散。
龍魚に乗っていた歩行雑草の下半身も爆ぜて無くなっていた。

　弱々しい呻き声。だが、まだ活動を停止してはいない。
顔色ひとつ変えずそれを見下ろすのは雑草王女と呼び習わされる少女。
少女がやおらに手を上げると、五体満足な歩行雑草らが
下半身が無くなった歩行雑草を抱えて連れて行く。
手当するのか？助からないと見て埋葬するのか？
周囲が様々に歩行雑草の行く末について想像を巡らせたが、
少なくともその場にいる誰にも想像のできない姿で、
歩行雑草は姿を現すこととなる。

　　　　　　　真剣な顔で雑草たちの匂いを嗅ぎ、頻りに体を擦り付ける