わたしがエンブリオのババアにペディグリーチャムをやっている時、PTMのウジちゃんがわたし達の隣に立って何を思ったかいきなり放尿し始めた。そのあまりに不躾な振る舞いにわたしは当惑して、呆然とウジちゃんの尿を眺めていたのだが、「きゃうん」というババアの鳴き声を聴いて我に返る。ババアは何やらもぞもぞとペディグリーチャムに近づいたり離れたりしている。ペディグリーチャムに近づくと尿の飛沫が掛かるらしく、それに驚いて一旦は離れるのだが、飛沫が掛からない位置まで移動すると再びペディグリーチャムに近づいて飛沫を浴びて「きゃうん」と鳴いている。学習しないババアだなあ。
　ウジちゃんの尿が地面に溜まってわたしの鼻を刺激する。わたしはそのいつまで経っても出続ける尿と頭の悪いババアを見ていると憤然たる思いが沸き起こってきて、息を大きく吸って「ババアがまだ食べてる途中でしょうが！」とウジちゃんを一喝した。ウジちゃんの身体がびくんと跳ねる。「えっ、え？　なんですか？」とウジちゃんは白々しさ全開で言う。

「なんでわざわざこっちにきておしっこしてんのよ！」
「おしっこ？　え、あれ、出てる、おしっこ」
「掛かってるから！　ババアに！」

　ウジちゃんは周りをキョロキョロしてババアを見つけると「あっ、ババア」と言ってババアの方に身体を向ける。ババアはまともに尿を浴びる。ババアは流石にペディグリーチャムを諦めてウジちゃんと逆の方向へ駆けていく。ウジちゃんは寝ぼけてましたすみませんとか言って事を片付けようとするが、本当に寝ぼけていたとしても許されることではないし、わたしは被害者であるババアの気持ちを代弁する立場であり、そもそもわたしに許しを乞うこと自体が間違っている。そういったことをウジちゃんにくどくど言い立てると、事の重大さに今更気づいたらしいウジちゃんは、青い顔をして「まったくです、ベロシマさん。私が愚かでした。ババアに直接謝罪させてください」としおらしく言うのだが、未だに尿は出続けているので許すわけにはいかない。わたしは尿塗れのペディグリーチャムを拾ってウジちゃんの顔めがけて投げつけ、ババアを追った。しばらく走ってから振り返ると、ウジちゃんが両手両膝を地面について放尿していた。

謎のつるつるてかてかした生き物は、
これまた謎のポーズを 1D3 = 2 ( 2 ) 回キレキレでキメた。