しちがつ　さんじゅうにち

リチュエルくんが「お姉ちゃん武器作るんやろ。お金あるん？」と聞いてきたので
私は「おとなのれでぃを舐めるなー！みなさい！この！ふんだんな！ゆきち！」と
叫びながらポシェットからゆきちーずを手づかみで取り出したのです。
しかしリチュエルくんはポカーンとしています。ははーん。これだけ大量のお金を見たことがないのだなー。
そう思ってにんまりしているとリチュエルくんははっとしていいました。
「あかんあかん。お姉ちゃん、これただの紙…？やで。こんなのお金にならんで」
「えっーーー！！！」
なんということでしょう。あのアイスを１００こもかえるゆきちの力がこのせかいでは及ばないようです。
おどろき　もものき　ませいせっき
「ここでいうお金は、これや」
そういってリチュエル君はきらきらしたものをとりだしました。ほほう、いいものもってるじゃない。
「お姉ちゃんも持ってるやん。こないだ拾ったものやで…とりあえず、これはあげるわ。何かに使って僕の役に立ってやー」
そんなわけで、めーこはお金を手に入れたのです。やったね。

しちがつ　さんじゅういちにち

今度はシーヴさんが話しかけてきました。
「お前、武器はないのか？」
ヨーヨーみたいなものを片手にシーヴさんはそういうのです。
「ぶき？ぶきー…武器っていうとーあれかなぁー」
私は掌をシーヴさんの前に差し出しました。
え？という顔をしてシーヴさんがめんくらっております。
わたしはめをつむって

"念じる"

『重要なのは結果ではなく、その思考回路だ。
必要なのも同じ。現実という枠組みを越える為には、精神構造や肉体は空でなければならない。
何者でも、なくならなければいけない。
定説は死に、規則は意味をなくす。
そうして空になった世界に、自分を創る。
空の器が満ちるとき、そこに膨大なエネルギーが生まれる。
それさえコントロールできれば』

掌にねつが集まってきております。んむ。これがめーこの武器。魔王の槍なのだ。
シーヴさんはめーこの掌で迸るひかりをみて、ぎょっとしております。どうだー！まいったかー！
「おめぇ、これどうやってんだ…？」
「あ、触ると焼けるから触らないほうがいいよ！おにくになるよ！」
「お、おう…しかし…お前に武器を作ってやろうと思ったんだが…これじゃぁ必要ないか…？」
なんと。シーヴさんはめーこにぶきをつくってくれるつもりだったみたい！
むむ、ねんぱいの方のご好意を無駄にするわけには…
「それならねー、材料とーおかねをー私の掌に置いてねー…イメージしてみて。何もない所から、炎が吹き出るのを」
私は光を消し、ポシェットの中の材料とお金を掴み、それを手にしたままシーヴの目の前に掌を見せた。
彼はおずおずと私の掌に手を重ねる。もう一度目を瞑る。
すると、一瞬光があふれ、掌には熱だけが残り。すべて消えてしまった。
「…これでいいのか？」
「んっふーだいじなのはきもち！ぶきをつくってくれるというシーヴさんのきもちがめーこの武器になるのだー」
めーこはにんまりと笑ってシーヴさんにおれいをいいました。まる。