その日一日中、淳陽の機嫌は最悪であった。
原因は、良い気候の中に突然現れた水着の男たちの所為である。

河川敷を進行中に、そう遠くない所より口論らしき声が聞こえてきた。咄嗟にこの場から離れ、諍いに巻き込まれないようにすべきと淳陽は判断し、仲間に声をかけようとした時、突然川の方から声が飛んできた。

「我らの休息時を狙うとは卑怯なぁー！
防具などなくても卑怯者になど負けはしないぞ！！」

武器を手に取り襲いかかろうとする兵士達を見入り、各々が戦闘態勢をとる。予期せぬ戦いではあったが、城の兵士との始めての戦闘である。
戦闘開始から少しの間は、十二分に警戒を行っていた為か戦いそれ以外に気を取られる事もなかったが、1人2人と倒れて行く頃にはどうしようもない違和感を淳陽は受け始めていた。
水着の兵士と戦闘という、気付いてしまうとあまりにも異様な戦闘。しかも、どうやら敵兵士自体は一般兵のようで手を煩う程ではない様子であった。

そして、少しの時間の後、最後の１人を倒し、淳陽達は勝利したのであった。
倒した兵士達より、情報を得ようと１人を捕まえた淳陽ではあったが、全くと言って良いほど情報を持っていない兵士に対し憤りを感じずにはいられなかった。
そして、淳陽のイライラが溜まった所に行った兵士の行動が淳陽の理性を吹っ飛ばしたのである。
兵士がしたことは

金目の物を渡せと言われ、水着を脱いで渡そうとしたのである。