ゆめを見ました。おねぇちゃんのゆめでした。ゆめだと分かったのは、

なんだかうしろのけしきがあいまいだったからです。
「最近はどう？　変わった事とか起きてない？」
　だいじょうぶ。言いつけはまもっておりまする……
おねぇちゃんはわたしよりちょっぴりせがたかいです。
「そう。今は一人で居るの？」
　いいえ。すももちゃんとことみーがいっしょです……
おねぇちゃんのかみはわたしと同じくせっけです。
「……お友達は良い子？」
　はい。やさしくて、いつもわたしをたすけてくれます……
ながいまつげとほそいまなざし。かっこうよくてうらやましいです。
「じゃあ、引き続き、お願いするわね？」
　だいじょうぶ。からなず、かならず……
あぁ、目がさめます。わたしもあんなふうになれたら、いけいけです？

　水の中から顔を出し、ぶんぶんと思い切り頭を振れば髪の毛が水を弾きます。

目をパチパチさせながら周囲を見回して。

　水の上でもちょっと気を抜くとこうなります。幸い溺れたりはしないみたいですが、

ぼーっとしてるのも考え物です。普段ならとっとと上がって体を拭いて、クリームを塗りますが。
今日はちょっと、なんとなくそんな気分でもないみたい。

　なんだか良く分からない声を空に向かって垂れ流しつつ背泳ぎで暫くそこらで回遊して

気分がすっきりするのを待つ事に。途中、裏返って水の中でももごもごします。
ごぼごぼ。泡が無秩序に水面に上がって弾けます。滲む視界でそれを捉えて、
なんとなく泣きそうになりました。もしかすると、ちょっと大丈夫じゃないかも？

　いつのまにか悲しみが空腹にシフトしていきました。現実問題食べずには

生きていられないのです。「ぴおちゃーん、いつまでそうやってるッスかー！？」
なんて声が聞こえてきたので上がる事にしました。二人に提案してみましょう、
どこかで美味しいものでも食べませんか？と。
お金は……まぁ、ちょっとくらいならありますし。

つまりは日常茶飯事なのかと彼は察したようで

頭をなでられながら、途中の言葉だけは小さめに。それなりに照れているようだ。

気を取り直して、彼は彼女にそう質問した。

自分をじーっと眺めたり背伸びしたりする少女を見て。
くす、と笑いが漏れる。

笑いながら、頭を撫でようとしてみたり。

しゃがみ込み、目線を同じ高さに合わせる。

少しの間、ぶつぶつと考え込んでいたが。
ピオがばっさりと切り捨てれば少し眉を顰めて。

大して傷ついた様子も無くあっさりと認め、謝罪もした。
意外と寛容なのかもしれない。

口上を続けようとして、ぴたりと言葉が停止する。
やがて恐る恐るといった様子で。

自分の学校名を言うと（留年の心配はないんだとか）、パンツいっちょでざぶっと真っ直ぐに潜って行きます

そう言ってぐりはしゃがみ、ピオの高さまで目線を落とし

突然呼びかけられた声に、ぴくっと反応する。

少し考えるように、目を閉じる

じっと少女を見つめ

声をかけられて少し驚いた後、きょろきょろとして自分の来た場所を答えます。

そう向こうの方の山を指差しながら答えた後、不思議そうに質問しました。

期待の篭った声で聞いた後、勝手に話を続けます。

目の前の男は、一瞬、些か狼狽えた様子を見せた。が、すぐに気を取り直したようだ。

彼は君の行動に首を傾げ、すぐに「ああ」と頷くと、

言いながら、彼はメガネを外すと、君に差し出した。