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その日は強く・・・雨が降っていた。



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ザァー・・・・

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たくさんの雨音が色々な物を忘れさせてくれそうで


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ザァー・・・・・・

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どれだけ彷徨ったろうか・・・・。


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ザァー・・・・

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この世界は
　　　どうか・・
　　　　　俺に優しい世界であれば・・・良い・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　な・・・。


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ザァー・・・・・・・・



ザァー・・・・・・


疲労がピークだったのだろう。その男は倒れ起き上がる気配はもう無い。


ザァー・・・・

ただ、その指の先には綺麗な花が雨空に向かって咲いていた。


ザァー・・・・・・・・

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？？？＞
「その花はね、ネクターと言ってこの世界を紡ぐ美しい花なんだ。
　君はその花が美しいと思わないかい？」


突如何処からともなく声が聞こえてくる。
男性とも女性ともとれる不確かな容姿をした者が此方を見つめている。

「アー・・・・・。テメェ・・誰ダ？」

体力はもう限界だったハズの男も立ち上がり見つめ返す。
見れば見るほどよくわからない奴だ。長い黒髪の三つ編みに左右違う瞳の色、怪我はなさそうなのに包帯だらけ。
怪しくないわけがないだろう。しかし、問題はソコデハナイ。

？？？＞
「ああ、僕かい？僕は死神だよ。君が目覚めてしまったから、殺しにきたんだ。
　本来ネクターは弱い者と弱い者が手を取り、共に生きていく為のもの。
　でもね、たまに君みたいに弱いものが触れてはいけないものと繋がってしまう事もあるんだ。」


死神＞
「ああ、でも落ち着いて聞いてね。
　君が今すぐ君の生まれた世界に戻ると言うのなら僕は別に君を殺さない。
　あの世界では君の力は受け入れられるべきものなのだから。
　でも、君がこの世界を荒らそうというのなら・・・やっぱり僕は君を殺さなきゃいけない。
　だから、戻ってはくれないかい？」


死神と名乗る男は次々と言の葉を繋げる。
全くもって鬱陶しい。全てが鬱陶しい。


「戻レ・・・ダァ？オレ様ヲ否定シタアノクソ世界ニカ？
　コノオレ様ヲ１００年近クモ封印シテイヤガッタアノ世界ニ帰レッテ？

　アハ？・・・アハッハッッッハハハハハハハー！！！

　オマエ、オモシロイコト言ウナァ！！！！
　コノ世ハチカラダ。弱ッチィクズハ踏ミニジラレ、強キモノダケガ支配スル世界ダ。
　コイツハナァ、サンザンヨワクテ世界ヲノロウカノヨウニココマデ逃ゲテキタンダゼ？

　笑ッチマウダロウ？？デモ、今ハモウ　オレガ　イル　。
　帰ル必要ハネェ。アノ世界モイズレ手ニ入レル。

　ダガ、マズハコノ世界カラテメェカラ喰ラッテクレル！！」



死神＞
「交渉決裂か・・残念だね。僕には君よりも、その子の方が強く美しく見えるんだけど。
　ごめんね。封印とか僕にはできないんだ。巻き添えにしてしまって済まないと思っている。」


「ナァーニヲゴチャゴチャイッテヤガル？オマエガ、オレヲ殺ス？
　
　オマエヲ殺スノハ俺様ダヨ！コノ世界ヲ！！全テヲ！！殺シ壊ス尽クスノハ・・
　コノオレ様ダ！三下如キガデバッテキテンジャネェゾ！コノゴミガァ！！！」


その瞬間。死神と名乗る者が立っていた空間は一瞬にして捻り潰され跡形も無くなっていた。


死神＞
「君も不幸な存在だとは思うのだけどね。でもだから何をしてもいいってわけでは無いんだよ。
　君が何故封印されていたのかは知らないけども。目が覚めたのならとっと帰るべきだったんだ。」


その澄んだ声は背後から放たれる。
確かに彼が避ける姿はなかった。直撃だったハズだ。当然のように空間ごと潰されたハズだ。


「オイ・・・テメェ・・ナンデ生キテイヤガル？」



死神＞
「君はこの世界を荒らす事はできても、この世界の理を壊す事はできないみたいだね。
　ま、それだけの事だったのさ。そう気を落とさないでおくれ。立派な攻撃だったよ。」


その台詞はただただ真実のみを並べたような、ただただゆらぎようがない現実をつきつけるようなそんな凄みが含まれていた。

そしてその言葉と同時に鈍い音が辺り一帯に響き渡る。


「フザケンジャネェ・・・ゾ・・ナ・・ダッコッレ？」

ドサリと再び男は崩れる。無数の刃に貫かれながら。




死神＞
「ごめんね、僕の仕事は君を助けてあげることじゃないんだ。
　もし、生き延びたいと願うなら。・・・いや、彼らは君を助けるき満々のようだ。
　やはり君は美しいね。そして、願わくば・・・僕とは二度と会わないことを・・。」



さ　よ　う　な　ら。

その言葉は虚しく雨音にかき消されていく。おそらくは届いてないだろう。　

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ザァー・・・・・・・。



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やがて雨が晴れ西日が眩しく差し込む頃に彼は再び目を覚ます。


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ソレハ彼ノ、コノ世界ヘトノ最初ノ邂逅

過去ニ沈ム、語ラレヌ記憶ノ物語。ソノ日、彼ハ・・。

顔をずずいっと近づけてきたマキリに対し、彼女は居心地悪そうに言葉を切ると
半歩後ずさってから言葉を続けた。

そういうとカウンターの奥に設置されたエスプレッソマシンの方へと向かう。
…ふと、何かに気がついたように歩みを止めると、もう一度マキリの方へ振り向いた。

と、並べられたテーブルと椅子を指し示す。

きゅーきゅーと　いいながら　けいかいに　すすんでいく。

はなしには　たくさん　うなずいた。

ウィルトは　かわの　みずを　のぞき　こんだ。

そして　ずっと　いっしょに　いて　ほしいと　おもった。

　彼女の中にナンパという概念は存在しないようです。
　

ハルは貴方の目の前で突然大きく深呼吸をすると、
何か決意したように少し上目遣いであなたの目をみつめた。

言うとジャム入りの瓶を取り出して並べ、シナモンクッキーやスプーンを手に勧めてくる
（取り扱いにはご注意ください死ぬぞ）

少し居た堪れないのか、居心地悪そうにして。

ニッコリと笑うと右の拳を握り少し掲げました。

そう言うと先ほど握りしめた拳に緩く力が込められた気配がする、、、