オリカちゃんとのであい


赤「ねー、なんか落ちてるんだけどあれ食べてもいーい？」

だからなんでも拾って食べようとしないの！

赤「だってー、おーなーかーすーいーたー」（髪の毛で持ち上げる

落ちてたもの「ちょ、何するんですかーー！ギャー!」

赤「あ、まだ生きてるや、新鮮だ！」

違うでしょ！生きてるなら救助しなきゃだめでしょ！

落ちてたもの「勝手に殺さないでくださいよ！織花！織花！しっかりー！」（ぷらーん

うちのバカがごめんなさいね、今手当てしてもらいますからね

ヴェリンダさーん、赤が何か拾ったから見てもらっていいですか？

ヴェリンダ「んー？また赤が何か拾ったのかい。

　　　　　　拾い食いはしちゃ駄目だって何時も・・・ぁー・・・またでっかいの拾ったねえ

　　　　　　とりあえず見るから下ろしたげな」

赤「はーい・・・残念」（ポイッ

落ちてたもの「ちょ・・・もっと優しく降ろしてあげて！」

ヴェリンダ「こーら。もうちょっと優しく下ろしたげな、生きてるっぽいしさ

　　　　　　さて、どれどれ。別に外傷とかはなさそうだし熱や咳の類もないねぇ。そこのちっこいの、何かしってるかい？」


落ちてたもの「え、あの、あー…

　　　　　　　　コレ、いや、この娘は織花といいます。私は彼女と契約した…んー、エンブリオの、綾理です。

　　　　　　　　お恥ずかしい話ですが、主人は数日前、宿で荷物を盗まれまして…

　　　　　　　　以来ここまで、水以外の何も口にすることなく進んできたのですが、力尽き倒れ…そこに二口女の魔の手がぁぁ！」

織花「お腹すいたよぉ…(小さい声)」

荷物を盗まれるなんて・・・

赤「ださいね！」

違うでしょ！お気の毒に　でしょ！

・・・たしかにちょっと間抜けとは思ったけども・・・

ヴェリンダ「ま、それはいいさ。しかし行き倒れとはねぇ。んー…飴でも舐めさしてみようか

　　　　　　しっかりした食事を作るには時間もかかるし」


綾理「ああ、すみません…ほら、織花。飴ですよ、飴。噛まずにゆっくり舐めるんですよ」

織花「あ、ありぎゃとございまふ…」（もごもご）

赤「いーなー、いーなー、飴いーなー！」

なんでそんなひもじいのよ・・・

やめなさい、みっともない

そもそもさっきからいろいろ食べてるじゃないの・・・

ヴェリンダ「あんまり数はないんだけどね。まだあるから藍も赤も舐めとくかい？」

あ、私はお腹すいてないから大丈夫です

赤「わーい、おばちゃんありがとー！」（ガリゴリガリゴリ

噛むな！

織花「…ありがとうございます。おかげさまで、少し落ち着きました…

　　　えと、倒れてからの記憶があやふやで申し訳ないのですけど

　　　あの、お二人が助けてくださったのですよね…昆布から」

綾理「昆布？！」

昆布！？

赤「昆布？」

織花「ええ、昆布…倒れた時、何故か昆布に襲われたじゃない。覚えてないの、綾理」

綾理「いや、それは昆布じゃなくて…」

ヴェリンダ「昆布・・・」

ヴェリンダさん、見られても困ります・・・

赤「オリカちゃんは混乱してるの？

　　それとももとからなの？」

失礼すぎるでしょ！そもそも私らのことでしょ！

赤「藍ちゃん昆布だったの？」

ちょっと黙ってもらえるかしら・・・

織花「あ、混乱はしているかもしれません…げ、幻聴が…聞こえるような」

綾理「落ち着いて、織花。よく彼女を見て御覧なさい

　　　すいませーん、其処の着物のお嬢さん。此方側に背中を向けて頂けないでしょうか」

教えてあげたほうがいいのかしら・・・

ヴェリンダ「ま、喋れる元気が出たなら安心だね。この先の村か町くらいまでなら送ったげるさ。藍も赤もそれでいいかい？」

まぁ、別にいいでしょう、この先付き合いがあるわけじゃないものね

それでいいですよ

赤「おっけー」（ガリゴリガリゴリ

飴噛む癖直しなさいよ・・・

織花「？！頭に口？！」

あ、気づかれた、ヴェリンダさんに教えた時点で隠す気はなかったからいいけれど・・・

綾理「幻聴じゃありませんでしたよ、良かったですね。」

織花「昆布じゃなかった！」(ヒソヒソ

昆布！？

綾理「昆布じゃなかった」(ヒソヒソ

だから昆布！？

織花「ふ…二口、さん、だよね…ばあさまが話してくれたお伽噺に出てきた」(ヒソヒソ

赤「なになに、赤たちって有名人なの？」

赤が有名なんじゃなくって私たちみたいのが他にもいるってことよ

赤「へー、でも口が二つあるから二口って考えた人はあんまり頭よくないね、ぜったい！」

まぁ、単純っちゃ単純よね

織花「あ、ごめんなさい。その、ちょっと吃驚しちゃって

　　　ええと、あの、わたしたち…お城の奥に進んでいくつもりなんです。

　　　せっかくのご厚意を無にするようで、ごめんなさい。

　　　…飴、ありがとうございました。美味しかったです。」

ヴェリンダ「ふーん、そうだったのかい。っていうか二人の他にも居るんだねぇ」

見たこと、会った事はないですけどね。

他の二口さんの後ろの口はこんなにもうるさいのかしら・・・

ヴェリンダ「それはそれとして、城へ向かうなら目的地は同じだし一緒にくるかい？

　　　　　　そもそも、荷物も当ても無いんだろ？」

赤「オリカちゃんも一緒に行くの？やったー！」

まだ決まったわけじゃないでしょう、オリカさんの都合だってあるでしょうし

赤「でも、荷物ないんでしょ？」

あー・・・そういえば・・・

赤「それに一緒のが楽しいよ！」

ヴェリンダ「こういってるけど、どうだい？時間は止まっちゃくれないよ」

織花「んん…では、ご一緒させてください。

　　　おっしゃるとおり荷物も当てもありませんけれど

　　　エンブリオ相手の戦闘なら、少しはお役に立てるかも…」


そんなこんなでオリカちゃんとも一緒にいくことになったとさ・・・