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なぜか成り行き上平原で出会った新たなエンブリオ、ドールと契約を果たすことになってしまった。
どうしてこう勢いとか成り行きとか適当なのか。契約ってもっとこう神秘的なものではないのか。

契約者本人は仲間が増えると楽観視しているが、私はどうにも納得がいかない。
人形が探しているという人物は金楊騎士本人ではなくその同行者の方であるし、
あえて金楊騎士と契約した理由とはいったい……
しかもこの人形、契約後の初戦闘で一切姿を見せなかった上に、何やら合間にこそこそとやっているようだ。
どうにもこの人形は胡散臭いと私の感が訴えている。動物的感だ、動物なのだから間違いない。

私が一つ溜め息をつくと、

べらんめえ。テメエは戦いのことしか頭にねえのか、と人形が金楊騎士の前に浮遊し旅行鞄に腰掛ける。
この金ぴかの鎧に対するツッコミには同意だが、一体何を企んでいるのか分かったものではない……

正直嫌な予感しかしないが、金の鎧と共に黙って話を聞く。
人形の話を聞いているとまたもや胡散臭い話が飛び出してきた。
どうやらこの人形、エンブリオであるにも関わらず異世界からやってきて、現在も異世界に干渉しているというのだ。
詳しく聞いたところ、とある異世界の【職人】という人物に作られた人形らしい。
その【職人】に頼まれ異世界よりメルンテーゼに来たユリアを探し、ついでに【職人】の作る魔道具を売る魔道具売り……
らしいのだが怪しいし信じがたい話である。
そんなのアリなのかと切り返したら、この世界に来たらなんかエンブリオの性質持ってたから仕方ないという。
確かに金楊騎士とのネクターを使用した契約を考えると確実にエンブリオではあるわけだが……
どういうことなのだ。

なんか本題とか言い出した。やはり何か企んでるではないか。
しかも嫌な予感がする。否、これは予感じゃない。確信。

ほらな。言わんことではない。
挑むって何を？とかとぼけてみるがどう考えても戦うということだろう。
この人形が言うに、金楊騎士とユリアを戦わせてその力をはかろうというらしい。
探している相手というだけあって流石に殺しあえとかではないのは良かったが、
せっかく同行しているのに力をはかるだけならわざわざそこまでする必要はないのではないか。

だからといって金楊騎士と、おもに私にそれを押しつけようとは冗談ではない。
私は精一杯の抵抗を見せようと後ろ脚を踏ん張り、宙に浮かぶ人形ににくきゅうを向けて爪を立て威圧のポーズをとろうとしたが

こいつは戦馬鹿なのか。
いや、幾つもの世界の戦場を渡り歩いてきたという時点で戦馬鹿なのであろうが。
どちらかというとこれは、

よくわかってるじゃねえか、早速挑んできやがれ！
おお、某にお任せあれ！
となぜか勝手に意気投合する金の鎧と人形。
これが無機物を纏う男と無機物の共鳴だとでも言う気なのか。

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アニマは心で叫ぶふきだしで存在感をアピールすることを覚えた！！

To be continued...

　　　（各々ぺこりと挨拶する触手たち）

ドールは同行者に見つからない位置からユリアを傍観している。

ドールは木陰で怪しく目を光らせ、一旦姿を眩ます。