前日、一揆の登録からエンブリオという精霊体に近しいものの確保を任されていたパートナーと初対面の挨拶を済ませた。
金髪に赤目、露出した肌は黒く逞しい筋肉が…。
第一印象としては、『海で波乗りしてる怖そうなヤンキー』だった。

佇まいに威圧感を感じ、気難しそうな雰囲気を感じた。
なんといっても義姉さんの元で研修を積んだ使い魔、凡人なわけがない。

見た目からかなり緊張したけれど、初見の出だしは意外と礼儀正しい。

総評、礼儀正しくてキリッとした頼もしそうな人。
僕なんかが人を評価するってこと自体に総ツッコミが来そうッスけど、やっぱり他人の使い魔は緊張するんすよ。
人ごとに使い魔との接し方は違うし、何より独自のルールを設けている場合も多い。
僕にも使い魔を使役する資格はあるんッスけど、正直、尊厳とかそういうのを無視しているようで敬遠していた。

…ちょっと総評出すには早いって？
まぁ良いじゃないッスか、人それぞれッスよ！

…とまぁ、最初の会話はこんな感じで。
それから、トゥーラさんがエンブリオを確保するために憑依を試みるまでの話と、一揆登録についての説明をしてくれたッス。
トゥーラさん曰く、アニマと言われるエンブリオに憑依したかったらしいけど、親和性を考えてシェイドを選んだこと。
一揆登録は登録者の採用試験で実技っぽいことをするらしく、申請だけ済ませて僕を待ってたそうッス。
あっ、一応は使い魔の方は姿を見せようと思えば見せれることが出来ます。これが意外と神経使うらしい。
逆に僕達死神にも姿を見せないようにすることも出来て、トゥーラさんはそっちの方が得意みたい。


そんなこんなで僕らはこの世界に漂う、浮遊霊に近い魂を導く仕事に就くことになった。
監視役ってことでトゥーラさんが来たことで緊張したけど、これまた意外に話しやすい人で楽しい。
…結構厳しいところもあるけど、なんとか長続きしそうッスね。

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そうそう、話をしてる中で年上だって気付いたんで、トゥーラさんのことを『先輩』って呼ぶことにしたッス！
これからよろしくお願いします、先輩。