妬みは妬みを生み、怒りは怒りを生み、後悔は後悔を生む。
憎しみは憎しみを生み、嘆きは嘆きを生み、悲しみは悲しみを生む。

そうして紡がれる精神が、幾重にも折り重なったのならば、それは紛れもない混沌だ。
例え擬似的なものであったとしても、世界はそれを見分けられない。

ならば、いや、だからこそ──

----------------------------------day 3------------------------------

変な奴らに同行することには無事成功した。
思った以上に変な集団だったようで、リーダー曰く律法騎士団とかいうらしい。
律法なんて反吐が出るが、秩序を破壊してこその混沌だから、前準備と解釈しておく。
拠点──打ち捨てられたボロ小屋に連れてかれ、いきなり小屋の改修と掃除を命じられた時は全員消して撤収しようかと思ったが、何とか抑えて言うとおりにした。まだその刻ではない。こいつらは利用価値がありそうだから。
……それに、今の私だと返り討ちにあいそうだし。


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小屋を一応住める状態にした私たちは、早速「攻城戦」とやらに臨むことにした。
この世界の混沌の根源ともいえる攻城戦の様子を見ておくのは、悪く無いだろう。
やがては上位の知性を狩りたいが、まずは下位の存在を狩って自身のステータスを高めるべきだ。
どうやら他のメンバーもこの世界での戦闘経験はあまり無いらしく、構えに力が篭っていた。
まぁ、そんなに気構える必要はないだろう。ほら、敵弱そうだし……


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やはりというか何というか、最初に出てくる下位生物など経験値1の雑魚と相場が決まっているものだ。
戦闘は呆気無く私達の勝利で終わった。

戦闘中、他のメンバーを観察してみたが、アトラは流石（自称）騎士団所属なだけあって、武器の扱いにそこそこ長けているように見えた。また、回復呪文も使うことができるようで、とても便利な奴だ。
フィリーはどう見ても戦闘に慣れているようには見えなかったが……何だろう、不思議と戦いがサマになっているような気がした。奥底に潜む……獣の殺意？のような何かが……現段階ではよくわからないが、やはり一番面白そうだ。
ネムもその巨体から繰り出す技で敵をなぎ払っていてとても頼もしい。
……もう1匹いたような気がするけどよく覚えてない。


うん。私の目に狂いはなかったようだ。
こいつらには利用価値があるし、露払いとしての性能もなかなか高い。
暫くは行動を共にするとしよう。