7月28日
　無事、人員を確保する事ができた。
　正直なところ、こうもあっさり集まるとは思っていなかったのだが。
　勿論、本来ならばこのような反乱になど参加せずに済むに越した事はない。
　しかしそれを回避できない以上、これは不幸中の幸いと言っていいだろう。
　

　同行者の一人目は書物、名前は文箭。
　書物である事を本人に確認した訳ではないが、魂の触れ心地からして恐らく間違いはない。
　しかも、体と魂の馴染み具合を見るに、最初からそのような存在として創造されたようだ。
　非常に興味深い。もっとも、味は期待できなさそうだが。

　二人目は魔術師、名前はアイリ。
　どことなく、私に似ている気がする。
　武器である二丁の魔銃は悪魔を加工したものだそうだ。
　創られた目的も、恐らくは製法も違うが、文箭に近い存在と言えるかもしれない。

　三人目は人型の猫。数多の名を持つとの事。
　名の数の多さは、長き歳月を生きた証だろう。
　喋る本を所持しているが、これもまた文箭と同種の存在だろうか？
　どうも私は「魂を持つ無生物」に縁があるらしい。

　ともあれ、多様な人員が揃ったのは好ましい事だ。
　多様性こそが閉塞を打破する力であると私は信じる。