…さて、メルンテーゼに来てから早くも２冊目の日記となった。
何故そうなったかは簡単で、昨日契約したばかりのウンディーネがはしゃぎまわり、
荷物袋を水浸しにして駄目にしてしまったからだ。
…そこ、覗き見ながら落ち込んだ振りするな。別に気にしてはない。
２代目となるこの日記には一応の防水対策はしておいた。これでなんとかなるよう祈るしかないな。

　前の分から書き直すのはめんどくさいので、前回の続きから。
今朝は昨日手に入れた食材を早速使って一品作ってみた。
品目はマッスルポテトのホイル焼き。
シンプルだが、マッスルポテトは中々ごつく、身もしっかりしていた。きっと十分美味しい料理になるだろう。
ああ、目が合うと流石に嫌だから顔面は削ぎ落としておいたが。
とりあえず出来た料理は一旦袋に入れておいた。折を見ていただくとしよう。
余談だが削ぎ落とした顔を何となくゴレムにくっつけてみたら、中々ひどい絵面になった。
これはこれで相手をびびらせる位は出来るかもしれん。

　この世界、何も食わなくても案外何とかなるのはとても助かる。
当然だが持ち運べる量には限りがあるからな。
毎日食わなきゃいけないなら、お宝の類が殆ど持てなくなってしまう。
ついでに不味い物でも我慢して食わなきゃいけんし。いや、むしろこっちが本題か。
…そういや、この木材と金属はどうしたものか。
なんとなく持ちっぱなしにしてるが…ダイゴが今作ってる武器を見る限り、中々いい物が出来るみたいだ。
折を見て俺も何か作ってもらうとするか。


とまあ、そんなことを考えながら進んでいた所、俺達の前に４人の兵士が立ち塞がって来た…って、少ないな。
仮にも魔王軍がこの程度の人数…と思ったが、同じエリアに味方が数百人いることを思い出した。
なるほど、俺達の所には４人しか来れなかったってだけか。しかしそれにしても…

しょぼい。 これじゃ全然稼げないじゃないか。

今回の雇い主は一揆衆。金銭報酬に殆ど期待できない以上、
兵士どもからの追い剥ぎが一番の収入源だと思われるのに…それがこれでは。
この倍程度は来てほしかった。どこかに伏兵でもいないのか？

そんな願いとともに周りを伺っていると、目の前の兵士の１人がなにやら叫んでいた。
…ああ、何か前口上でも垂れてたのか？

…とりあえず適当に返事しといたが、あってただろうか？
まあ、どうでもいいか。これから戦うのは変わらないだろうし。
俺のPTの連中はみんなノリがいいしな。