ここに我輩ことニャンダモン様の記録を残す。
俗に言う“ヒトもすなる日記というものを猫もしてみんとてするなり”といったところである

《眼には砂を、耳にはタコを》
太陽が真上に昇るころ、すなわちお昼ごはんの時間。
牛肉を挟んだサンドイッチが本日のランチ。我輩のお気に入りの一品。

サンドイッチに喰いつくや否や、重大な事に気づかされる。現在地が砂地であること。
砂が舞うこの地では、せっかくのサンドイッチが“サンド”イッチになってしまうのです。
ジャリジャリとした食感に、我輩のデリケートな舌が悲鳴をあげる。

“サンド”イッチに舌を唸らせながらも、歩を進める。
砂地。太陽が誇らしげに自己主張し、その熱で疲労を増幅させる。
どこへ行っても砂、砂、砂。挙句の果てには、蜃気楼すら見え始める。

我輩の耳元でカワイコちゃんが騒がしく捲くし立てるので、唆されるがまま、荒れ果てた大地を歩む。
もちろんオアシスなんてあるわけが無く、ただただ砂にまみれる時間を過ごす。


それからしばらく、砂の上をノロノロと歩くものに遭遇する。
挙動不審なソレは、のんびりと我輩の前を歩いている。
怪しげなソレの正体は、ヒトであった。やけに奇抜な恰好をしている。

礼儀正しく挨拶をしてやる。さすが我輩というべきか、実に紳士的である。
ところがヤツはこちらに気づくや否や、お下品な雄叫びをあげる。
ヤツなりの挨拶なのだろうか、我輩の知る挨拶とまるで掛け離れている。
続けざまに、ヤツはごちゃごちゃと捲くし立てる。

そこまでいうと、ヤツは戦闘態勢をとる。どうやら我輩と遊びたいらしい。
我輩はお昼寝したいので、遠慮したい。

そう叫びながら、我輩に襲いかかる。礼儀をわきまえろ、イカれた野蛮人め。
この野蛮人は我輩と遊びたいのか、我輩にお昼寝してほしいのか。どっちだ。

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声と共にヘクスが晴れ、曖昧になっていた姿が顕になる。

緑色のヘクスが全身を覆い、また晴れる。
そこには元通りの男の姿。