そう言うや、手をピンッと伸ばし、円月刀を頭上に掲げる。
円月刀の切っ先からは強烈な威が放たれている。

そのさま、まさにサソリが尾を放たんとするが如し。

しかし、なんとあからさまな姿であろうか。
今から振りおろすぞ、と言わんばかりである。

右か左に移動すれば、たやすくかわすことが出来よう。
実際、相手も移動した。

しかし、攻撃は上から来ず、逃げた方向から迫ってきた。
回し蹴りである。

そのさま、狡知に長けたサソリが己が尾を囮とし、鋏で攻むるが如し。

これぞ、砂獣闘法が一手。

狡蠍鋏撃 (こうかつきょうげき)

そう言うや、手をピンッと伸ばし、円月刀を頭上に掲げる。
円月刀の切っ先からは強烈な威が放たれている。

そのさま、まさにサソリが尾を放たんとするが如し。

先ほどと全く同じ動きである。


技のタネは割れている。
円月刀はハッタリでしかなく、移動した先に蹴りを叩き込む。

……相手がそう思ってくれれば、しめたものだ。


サソリの攻撃で最も恐ろしいのは、尾による一撃である。
その威力たるや、鋏のそれとは比べ物にならない。

ハッタリと思われていた円月刀が振り下ろされる。
そのさま、狡知に長けたサソリが己が尾を振り下ろすが如し。

これぞ、砂獣闘法が一手にして狡蠍鋏撃と対を成す技。

狡蠍尾撃 (こうかつびげき)

そう言うや、手をピンッと伸ばし、円月刀を頭上に掲げる。
円月刀の切っ先からは強烈な威が放たれている。

そのさま、まさにサソリが尾を放たんとするが如し。

三度目も同じ動きである。


次は上から来るのか？
それとも左右から来るのか？
どっちだ！？


このように相手の選択肢を狭めることができれば、後は容易い。

敵から選択肢を奪い、己の土俵へ引きずり込むこと、
敵を己が巣へと誘い込む蜘蛛の如し。

これぞ、砂獣闘法が戦場構築術。

蜘巣誘引 (ちそうゆういん)

そして、迫り来るは回し蹴り。

狡蠍鋏撃 (こうかつきょうげき)

そう言うや、手をピンッと伸ばし、円月刀を頭上に掲げる。
円月刀の切っ先からは強烈な威が放たれている。

そのさま、まさにサソリが尾を放たんとするが如し。

そして、迫り来るは円月刀。

狡蠍尾撃 (こうかつびげき)

そう言うや、手をピンッと伸ばし、円月刀を頭上に掲げる。
円月刀の切っ先からは強烈な威が放たれている。

そのさま、まさにサソリが尾を放たんとするが如し。

そして、迫り来るは円月刀。

狡蠍尾撃 (こうかつびげき)

攻撃をかわされようとも、すぐさま次の攻撃の準備へ移る。
敵とて生き物、外れるのは致し方なし。

それよりも、絶え間無い攻撃にて、敵から攻めの機会を奪うべし。
その闘いぶり、群れにて敵を圧殺する蟻の如し。

これぞ、砂獣闘法が攻めの心得。

蟻軍圧殺 (ぎぐんあっさつ)

霧に紛れて姿が消えた。

どこに行ったのか？

正解は下である。
蜥蜴をはじめとする這う獣のように、四足を用いて進んでいる。
足元の霧は濃く、接近されるまで相手は気付くまい。

霧に紛れた獣の存在を脚に爪牙が食い込むまで気付かぬように。

これぞ、砂獣闘法が隠行の技。

這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)

ふいに霧の中から2つの柱が噴出した。
脚である。

一方は相手の股下からせり上がり、金的を狙い、
もう一方は頭上から降りかかり、脳天への踵落としを狙う。

上下からの同時攻撃、当たれば致命傷を免れまい。
そのさま、水面より突如現れる鰐の顎門の如し。

これぞ、砂獣闘法が一手。

鰐門急襲 (がくもんきゅうしゅう)

攻撃をかわされようとも、すぐさま次の攻撃の準備へ移る。
敵とて生き物、外れるのは致し方なし。

それよりも、絶え間無い攻撃にて、敵から攻めの機会を奪うべし。
その闘いぶり、群れにて敵を圧殺する蟻の如し。

これぞ、砂獣闘法が攻めの心得。

蟻軍圧殺 (ぎぐんあっさつ)

そう言うや否や、再び霧に身を紛らわす。
這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)である。

そして這う獣たちの爪牙のごとく、霧の中より相手の足を狙う。

これぞ砂獣闘法が一手。

這獣爪牙 (はいじゅうそうが)

そう言うや否や、再び霧に身を紛らわす。
這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)である。

そして這う獣たちの爪牙のごとく、霧の中より相手の足を狙う。

これぞ砂獣闘法が一手。

這獣爪牙 (はいじゅうそうが)

天高く跳躍し、敵の攻撃をするりと抜ける。
その飛び上がるさま、砂漠の飛び魚が如し。

これぞ、砂獣闘法が回避術。

飛魚跳躍 (ひぎょちょうやく)

そう言うや否や、再び霧に身を紛らわす。
這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)である。

そして這う獣たちの爪牙のごとく、霧の中より相手の足を狙う。

これぞ砂獣闘法が一手。

這獣爪牙 (はいじゅうそうが)

そう言うや否や、再び霧に身を紛らわす。
這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)である。

そして這う獣たちの爪牙のごとく、霧の中より相手の足を狙う。

これぞ砂獣闘法が一手。

這獣爪牙 (はいじゅうそうが)

攻撃をかわされようとも、すぐさま次の攻撃の準備へ移る。
敵とて生き物、外れるのは致し方なし。

それよりも、絶え間無い攻撃にて、敵から攻めの機会を奪うべし。
その闘いぶり、群れにて敵を圧殺する蟻の如し。

これぞ、砂獣闘法が攻めの心得。

蟻軍圧殺 (ぎぐんあっさつ)

そう言うや否や、再び霧に身を紛らわす。
這獣紛霧 (はいじゅうふんむ)である。

そして這う獣たちの爪牙のごとく、霧の中より相手の足を狙う。

これぞ砂獣闘法が一手。

這獣爪牙 (はいじゅうそうが)

攻撃をかわされようとも、すぐさま次の攻撃の準備へ移る。
敵とて生き物、外れるのは致し方なし。

それよりも、絶え間無い攻撃にて、敵から攻めの機会を奪うべし。
その闘いぶり、群れにて敵を圧殺する蟻の如し。

これぞ、砂獣闘法が攻めの心得。

蟻軍圧殺 (ぎぐんあっさつ)