リリア=レイ=シルバーライト




とある世界の森の奥に、ひっそりと暮らす……
……一人のエルフの女の子。

「……今日もいい天気ですね。……いつもと変わらず」








新たな世界へ、繋がる魔術を。





「……ここ……何処なんでしょうか……？」


「あれ……」






「ふむ、私だけではないんですね……」


「……？」


「そうですか。まぁ、良いのですけれど。 まずは、これからどうするか、ですね」


「……どういうつもりです？」


「いや、露骨に私と行動しようオーラが出ているのですけれど」


「な、成り行きって……」


「それは、まぁ……」


「……むぅ、仕方ありませんか、一時的にですよ？」


「いいえ、まずこの世界で一人でもなんとかなるようになるまで、です」





リリアは、住人として。






「ダメです」


「嫌です」


「酷くありません。至って普通です」


「……まぁ、そうなんですけれど」


「よくありません」


「……よくもまぁ諦めませんね……」


「得意げに言わないでください」


「ですから、誉めていませんよ」


「細かくはないのでは……？」


「そ、そんなこと言っても何も出ませんからね？」


「こら。そんなこと言うならこの話は白紙撤回です」


「ふふ、その焦った顔でおあいこということにしてあげましょう」


「私は同じことをしただけですからねー？」


「そういうわけで、これからは契約に基づいて働いてもらいますから、覚悟することですね」


「冗談ですよ、冗談。これからもよろしくお願いしますね？」


「それじゃあイラちゃん、早速最初の仕事です」


「疲れたので肩を揉んでください」


「嫌ならやめてもらってもいいんですよー？」


「なんて、冗談ですよ」




「そういえば、聞きました？」


「そうですそうです……困りましたね……」





「一応、考えがあります」


「この命令に反発した住人たちが、一斉に一揆を開始する、らしいのです」


「そして、参加者を大々的に募集しているのです」


「……そういうわけで、私たちも参加してみようと思います」


「利点は簡単です。人がたくさんいますので、情報収集とかがとても便利かと」


「生活にも困らないでしょうしね。大丈夫でしょう、たぶん」


「……そうときまれば、早い方がいいですね」


「すぐ出発ですよ？ 善は急げ、ですから」


「待ちません。そもそも準備するような荷物もないでしょう？」


「はい、そういうことです」








「いいんですよ。だってほら、ダメって言われませんでしたし」