果てしなく長く続いていた長蛇の列も終わりを迎えたころ、大の男が文字通り大の字で寝転んでいた。
「だぁ！！もう俺は動けねーぞ。くそ、安請負なんぞするんじゃなかったぜ。
　後は、ルリアンナの野郎に任せときゃいいだろ。」
　１０００人以上の人々と手合せをした後だというのに、空を眺めながら良い顔をしているラルフを見て、淳陽はこの先の苦難を考慮しなければいけないのではないかと考えていた。
　—疲れと手加減をしていたと言っても、全員とそれなりの試合をしていた彼が助けを求めるほどの事とは。金品の匂いに釣られてしまいましたが、想像以上に危険な橋のようです。
　１人でどうこうするよりは、何人かと一緒に行動するのが最善のようですね。—
　試験を合格した顔ぶれを少し離れたところから眺めていると、やはり淳陽と同じように感じたのであろう幾人かが、思い思いに声を掛け合っている姿が見てとることができた。
　出遅れてしまったと感じながらも、ラルフと戦っていた人々を淳陽は思い浮かべていた。そして、幾人かとピックアップすると徐に人垣の中へと歩を進めていくのであった。
　—私にはない瞬間的な爆発力があった、なおかつ裏表のなさそうな人物が良いですね。私の命運を預けるわけですから、出来るだけ信用に足る人物を見つけなければいけませんね。—