しゃちょうの日記（二日目）


喧嘩を売ってきたおっさんは、「どおぉるぁぁッ！！」と叫び声がうるさいだけで、
杖でボコスカ殴ってたらいつのまにか倒していた。スーパー弱かった。


勝利のご褒美に娘さんを貰えるかと思ったらそんなことはなく、
変な木材とデケェ石を渡してどっかに去っていった。

まぁ貰えるものはもらえたからいいけど、何に使うんだろうな、これ。


さて、これからどうしたもんかなと考えていると、エンプリオのフェアリー君に話しかけられた。
わしが今装備している『いつの間にか握っていた杖』には仕掛けがあるらしく、スイッチを押すと魔法が出るスンバラシイ物らしい。
そういうことは早く言えよ、わし魔法が得意なのに杖でボカスカ殴っちゃったよ、どこのガンダルフだよ。


わしはフェアリー君との出会いを思い出した。

わしは気がついたら『いつの間にか握っていた杖』を装備していたんだけど、これはわしの守護者さまからのプレゼントらしい。

フェアリーくんは守護者さまの使い魔らしく、この杖を装備したわしの姿を見ると「おお…その杖を装備出来るものなら喜んで契約いたしましょう！」と一方的に契約を結んできた。顔に似合わず強引なやつだなと思った。契約書にサインする時はよく考えたほうがいいと思う。


その後、フェアリーくんがこんな話をしだした。

「とある人間は、30の歳を迎えると偉大なる魔法使いになることが出来るのです！　貴方さまはその条件を満たしています！
そしてその条件を満たしたものが、30の時まで1000日を切った時に「もうちょっとだよ！頑張ってね！」的な意味で守護者さまがプレゼントしてくれるのが、この『いつのまにか握っていた杖』なんです！」と。

その話を聞いて、フェアリーくんの強引さは守護者さま譲りなんだなって思った。

「だから、あと1000日をピュアな体で過ごしてくださいね！」とフェアリーくんが添えるように言ってたけど、意味はよく分からなかった。ただ何となくバカにされている気がしたので杖で殴っておいた。


そして今、改めてフェアリーくんを見てあることに気づく。

こいつ…物理タイプじゃん……。

ダメじゃん。わし魔法使いタイプなんだけど。音楽性の不一致どころではない不一致だよ。

しょうがない、新しいエンプリオと契約しよう。わしの能力的に魔法契約のデビルがいいかなー。おっぱいボイーンのオネーチャンが来てくれると嬉しいなぁー。