（セリフは次回以降）

「ここはどこでしょうか？」
「どこでしょうね」
「分かりません」
「どこでもいいじゃないですか」
「そういうわけにもいきません」
「困りましたね」
「困りました」
「どうしましょう」
「ですが」
「ですが？」
「分かりきっていることはあります」
「そうです」
「本当に？」
「記憶があります」
「少しだけ」
「それは」
「『戦え』という命令だけは記憶しています」
「『戦う』、ですか」
「それ以外の記憶は」
「……」
「喪失しています」
「困りましたね」
「困ります」
「ですが」
「ひとまず」
「情報が必要です」
「はい」
「新しい記憶が必要です」
「はい」
「情報といえば」
「世界を感知することです」
「自他を認識することです」
「それはつまり」
「他者とコミュニケートとすることです」
「近くに生命反応があります」
「人型ですか？」
「いいえ」
「動物ですか」
「違います」
「植物ですか」
「植物ではありません」
「では」
「それはなんですか」
「正解は」
「……」
「……」
「……」
「人魚です」
「人魚とは」
「なんでしょう？」
「そうですね」
「そこから始めましょう」
「戦闘班」
「「「「「はい」」」」」
「斧を以って」
「対象とコミュニケートしてください」
「△■○×は？」
「許可します」

不意に感じた視線に、
犬耳の少女は鼻をスンスンと鳴らしてキョロキョロとしている。

視線の先を見つけた犬耳の少女は、意外なその主に驚いた。
少女の視線の先につられるように、もう一人の少女も振り向く。

錬金術師という職業柄か、
金髪の少女は興味深そうに人形達を見つめている。

二人はその場に屈みこみ、興味深そうに人形たちを見つめた。