【Ｓｉｄｅ．伯爵】
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この後通りすがりの女騎士がなんとかした。









【ＣＭ〜めずらしせいぶつ情報局〜】
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【Ｓｉｄｅ．ネム】
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きがつけば、世界がすこしだけせまくなっていたの。　

あの男の『おたわむれ』が十をこえて、つかれて 意識がとんじゃったのかしら。　
おやしきではない。ネムにとってよくなじむ ちいさな深緑がどこまでもひろがっている。　
ゆめかまぼろし？ それともこれも あの男の『おたわむれ』？　


せなかのツルで首筋をなでる（うでは とっくの昔に きりとられてしまった）。　
首輪はついていなかった。　
胸元をみる。　
いまいましい刻印はきえさっていた。まるで最初からなかったかのように。　


なにもかもがしらないもの。　

ただひとつわかったのは、ネムはいま あの男の監視『外』にいるということ。　


ならばネムには やりたいことがたくさんあったわ。　
おやしきでだされるペレットなんかじゃなく、たわわになる木の実をたべてみたかったし、　
空をあおいで、やっほー、なんていってみたかったし、　


なにより、人間どもに復讐がしたかった。　


あの男がにくい。　
ヒトのかたちをしたすべてがにくい。　
この大地に存在するすべての人間を不幸にしたいから、ネムは、この道をゆくわ。　

きっと、どこまでもたのしいはずよ。　

　青い髪に腹を出した格好の男が、ネムの姿を見て立ち止まった。
　元の世界で目にした事のない不思議な存在にしばらく呆然としていたが、
　ネムの近くにある段ボールを見て、怪訝な顔をした。

　男は段ボールに呼びかけて、ついと視線をネムに戻す。
　自分の身長を遙かに上回る、大きな存在。
　……未知の対象に驚きはしているようだが、恐怖以上に、興味津々、といった様子である。

まるで樹木を思わせる巨大な植生生物。その背面にフィンは立っていた。

口惜しいことだが、今の体調では正面切って戦うのは無謀だ。
そそくさと、通り抜けてやり過ごそうとする。

ふと見上げると、如何にも体調の悪そうな不幸な少女が触手に捕まっている。
この状況では、考えている時間すら惜しい。
出来得る限り物音を立て無いように用心しつつ、少女へと近づき、小さな声で呼び掛けた。

少女の返事も聞かず、女性は身振り手振りを交えて説明を始めた。