お父さま、お母さまへ


　つつがなくお過ごしでしょうか。
　わたしは今のところ、元気です。

　ひさしぶりにクーちゃんと会いました。
　お手紙を書いたら届けてくれるというので、お手紙を書くことにしました。
　今日はお父さんとクーちゃんと三人で、お父さんの新しい仕事先まで来ました。
　お父さんというのは、今、わたしの面倒を見てくれているひとのことです。
　いっしょに暮らしているひとだから、お父さん、と呼んでいます。
　お父さまやお母さまのことを、忘れてしまったわけではないです。

　このお手紙は、クーちゃんの背中の上で書いています。
　お父さんは本当にここではたらくかわからないし、状況がわかるまで、大人しく待っているようにと言っていました。
　でも、クーちゃんはどんどんどこかに行ってしまうので、わたしは大人しくクーちゃんの背中の上にいます。
　そう書いているうちに、クーちゃんがやっと、お父さんを見つけてくれたみたいです。

　では、また。


　　　クローシェ

（クローシェのほうに小走りで駆け寄って行き、話しかける）