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![]() | 一揆参戦 1日目! - Diary |
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その日の晩は酷く冷えていて、灰色に濁った空には雨雲がひしめいていた。 "私"はそんな空を見上げ、白い溜息をついた。 今日の昼間の公演、その歓声がまだ耳に残っている。 この地域の人たちはとても暖かい。 カーテンコールを二回もするのは久しぶりだ。 幕を下ろす直前、目に焼き付けたお客さん達の笑顔とこちらに向けられた羨望にも似たまなざしを、いま目を閉じて思い返す。 特に、小さな子ども達から向けられる笑顔には心の底に溜まった闇だか氷だか、そんな自分には要らないものを打ち消してくれる力があるように思う。 そんな子ども達の両隣に座る両親と思わしき人たちの和やかな表情。 ……無いものねだりかもしれない。私にはそういった家族が元からいないから。 だからこそ余計にそんな暖かな空気に惹かれ、檀上から見つけては今日も手を振りかえした。 ……今日は、私と同い年くらいの子がいたな。私の髪とは違って柔らかそうな綺麗な色の髪で、それによく似合う赤いリボンを付けていた。 寄り添う両親はその子の頭を撫で、私が手を振りかえした事を家族で喜んでくれていたように思う。 網膜に焼きつけた笑顔の彼らの姿が、不意に恐怖の表情に変わり渦状の煙でかき消された。 ぞく、とする感覚で、真近くにいるであろう相手に間合いを取る。 エレナ・リヒトだった。 「そんな顔をしなくても良いんじゃなくって? フォンちゃん」 甘ったるい声でそう問いかけ、真っ赤な唇をにやりと歪め煙管から強すぎる臭いを放つ煙を吐き出す。 私はこの女が嫌いだった。 彼女はこのサーカス団の団長。裏の顔は女賊だ。 その事実を知っている者は団員の中でも少ない。そして、知る者の殆どが私を含め彼女を警戒している。彼女はそれを知ってか知らずか、からかうように近づいては挑発する事が度々あった。 「ふふ、可愛い顔をしているわね、ほんとうに。」 黒い手袋をしたその手で頬に触れられかけて、咄嗟に手の甲で弾いてしまった。 ———しまった。 そう思った時には遅く、先ほどまでは見る人によっては魅力的な笑みを浮かべていた彼女の表情は一転し、目つきは鋭くこちらを睨みつけ、残忍なるその本性を露わにした。それでも彼女の口元には未だ笑みが残っているのが本当に恐ろしい。 いつの間にか私の身体は震えていたらしい。頬には彼女の手の感触があり、それに気づいた瞬間に震えは硬直に変わった。 「可愛い、顔をしているわ。可愛い可愛い女の子。この長い髪も美しく綺麗ねぇ。そうそう、あなたと———名前は何と言ったかしら、あの気の弱い獣。あなたたちの演舞は評判が良くってね。あの獣を買った甲斐があったわ。珍しくって高かったのよ? それなのに火の輪もくぐれやしない。病気にもかかるし、いっそ処分しようとも思っていたの。それをあなたが入団してくれたおかげでここまでの金ヅルになったんだから、感謝しているのよ。……あらそんな顔をしないで頂戴。可愛い顔が台無しよ、そう……女の子らしいそのお顔が」 私の顔は屈辱に歪みきっていたらしい。涙もいつの間にか流れていたらしい。目の前の彼女はその涙を、あたかも慈愛に満ちた聖母のように拭い、微笑んだ。 「ふふ……御免なさいね。最後にとっておきの意地悪をしたかったのよ。ちょっといいかしら?」 その真っ赤な髪、眼、唇、薔薇の香り、吐き気を催す煙……彼女のすべてが私の身体を覆い尽くし蝕む感覚が私の五感を奪った。 闇の中を揺蕩いながらぼんやりと想う。 そういえばいつもこの人が連れているあの少年は何処だろう。 私は笛を、彼は弦を、奏でて歌う、特にこんな、冷えた、夜、には…… +++ 一頭の獣が燃え盛るテントの中を駆け、彼にとって唯一無二の親友の姿を探し求めていた。 最初は思い切り咆哮し、彼女の反応をこの耳で探ろうと力を尽くしたが、その喉は火と煙に焼かれもう喉を振り絞ってもか細い声にしかならない。 親友である彼女は彼に生きる力を与えてくれた。 異変に気付いたきっかけは、まさに獣の勘としか言いようがないだろう。 薔薇の香り。獣の嗅覚にはきつすぎるそれが今日に限ってはこのテントを蹂躙するかのように空気を澱ませていた、というのもある。 テント内の人間達からの、恐怖という感情についても普段以上に察知していた。 それよりも、言葉にできない以上の怪異とも呼べる現象がここで起こっている、そう感じたのだ。 そうして辺りを見渡し、この時間になれば聴こえてくるはずの親友と、親友と仲の良い少年の歌声も聴こえてこないことも確認し、ゆっくりと偵察にあたった。 ここはサーカス団のテントとはいえ屋敷のように広い。いくつもある部屋や長い廊下には女団長の趣味で集められた絵画や人形も飾られている、この珍妙な建物の中を足音を殺し彼は歩く。 人気がない。声もしない。人の動きすら感じ取ることができない。そこにあるのはただ一塊の恐怖だった。 それが、何処からのものからか分からず苛立った辺りで、火が鉄と布を燃やす嫌な臭いが彼の身体全体を震え上がらせる事となった。 ごとり、と近くに飾られていた人形が床に転がった。 柔らかそうな髪に赤いリボンの可愛いらしい女の子の人形。 それは人形でも何でもなかった。 つい数時間前までは人であったはずの、剥製だった。 +++ 私は目を覚ました。 そして、その惨状に思わず悲鳴をあげた。 道化師たちが自らの四肢を切断し、笑いながら泣いている。 双子の踊り子が、得意のナイフ投げでお互いを傷つけあっている。 恋人を亡くした空中ブランコ乗りが、命綱無しで空を舞っている。 他大勢の団員達が目を覆いたくなるような行為をさせられている中ただ一人、女団長が高笑いをあげながら恍惚とした表情で各々の”殺し合い”を鼓舞し、駆り立て、ただ一人愉悦に浸っていた。 誰一人彼女に逆らう事は敵わない。其処にいる全員が身に染みて実感している事だ。だからこそこの悲劇の中涙を流し抵抗しながらも彼女を悦ばせなくてはならなかった。 私は、逃げたかった。 私は、助けたかった。 どちらが真意かは自分でも分からない、ただただすくんだ足をどうにか動かそうにも恐怖がこびりついて何もできない。手を動かす。が、その手は縛られて柱に固定されていた。私の嗚咽に気が付いた彼女は、笑いながらこちらに近づく。 その狂った女の手には槍が握られていた。それを、振りかぶる。私は目を瞑り来るであろう痛みに備えた。 +++ ———彼女は自分に生きる力を与えてくれた。 毛並みが他の者とは違う、そういった理由で仲間には忌み嫌われ、人間には好奇の目で見られ捕えられては見世物に回される、矜持なんて持ち合わせられるはずもない、諦めきった自分自身を嫌う気力すら無かった。その陰鬱な気持ちをあの女は嗅ぎつけたのであろう、高額で自分を買い取った。あの女は人や獣問わずそういった陰の感情を愛してやまないのだ。時には愛し、時には虐め、女の気に入った「商品」を憂鬱の色で染め上げていく。 自分はそんな女にとって逸材だったのだろう。そうして、このサーカス団に入団した。 サーカスで自分の種族がやる事といえば、本来ならば一噛みで殺せるはずの脆弱な人間に扱き使われ、火の輪をくぐらされる滑稽なものだ。元から存在自体が屑以下の自分には合っている。そう思った。その筈だった。 女はそれを見越していたのかどうか? 情けない事に自分は火の輪すら恐くてくぐれず竦み上がってしまったのだ。女はせせら笑い、縄で叩いては火に近づけて「遊び」に興じていた。 「処分」という言葉をちらつかせては自分が恐がる様子を嗤い、「臆病」と演目に名をつけては表舞台に立たせられた。観衆からの憐み、嬌声、ほんの少しの応援、それらを一身に受けても自分は「臆病」なままだった。 女は度々檻の前に来ては「処分」「売買」「解体」などという言葉を向けてきた。 もうなんでもよかった、自分は、この世界にはふさわしくない。そもそも生まれてくるべきではなかった。せっかく生まれてきたのならこんな種族でなしにもっと他の種にとって有益になる生き物として生まれ、その者の為にこの身を捧げたかった。 涙を流すたびに女は喜んだ。今となってはそれはおかしいと思うのだが、その女が笑うと少し楽になった。自分が滑稽であればあるほど女にとっては良いとされる。一応の存在意義もあるのかもしれない、そう思っていた。 そこで、彼女と出会った。 人身売買で入団する人間は彼女に限った事ではない。そういった人間はまずこの獣の檻の近くに縄で自由を奪われ放置される。自分とは違い他の獣の中には人間を驚かす者もいた。普段受けている重圧をそこで解消する者もいた。今までの子らは泣き、親の名を呼び、一人は絶望のあまり舌を噛み切った。そうして抵抗する気力もなくなった子から順に洗礼を受け正式に入団する事になる。 彼女は、泣いている他の子とは違った。常に凛とした佇まいで、泣かず抗わず静かに運命を受け入れているように見えた。 自分とは大違いの芯の強さを持った彼女を見つめる視線に気が付いたのか、彼女もまたこちらを見ては不思議そうな表情を浮かべるようになった。最初は、普通の仲間とは違う毛並に驚いているのかと思った。こんなに大きな図体をしているのに傷だらけでいるのを珍妙に感じたのかとも思った。そのうちに会話を交わすようになった。彼女は、こんな自分に「綺麗だ」と言ってくれた。 人間の言葉では走馬灯というのだろうか、意識が混濁しつつある中で親友である彼女との思い出が頭を駆け巡る。 人々の恐怖の気配がもうすぐそこに近づいていた。 その中から、あの自分が羨望した凛とした空気を感じ取った。 ———彼女はそこにいる! 声にならなくともよかった。咆哮をあげた。 建物は焼け落ちていく。色んなものが焼ける嫌な臭いがする。 自分はもう何も恐くはなかった。この命は、彼女を助ける為だけに使おう。 彼女を助けられたなら、この不甲斐ない一生も少しは良きものとなるかもしれない。 扉を見つけた。 彼女の気配が強くなる。 体当たりで扉を破る瞬間に、はっきりとした殺意を感じ取った。 その殺意はよく見知った後ろ姿から発せられるものだった。 「……ライニアル!」 はっとした表情で振り向き自分の名を呼ぶ、彼女———リーの声だった。 彼女は、嗚咽をあげて泣いていた。手には槍が握られ、そのまわりには息絶えた人々が転がっていた。 「ライニ、ア……やだ、み、見ないで……お願いだ、私、私は……!」 倒れこんだ彼女を背中に受け止め、また声にならない咆哮をあげた。 どこからか女の高笑いが聞こえた。 自分の身はどうなってもいい。 せめて、この子だけは助けてやってくれてもいいんじゃないだろうか? 神様とやらは、天上にいらっしゃるのだろうか? ならば何故、このようなことが赦される? あと少し走り抜ければ外に出られる筈だ。 外からは雨のにおいがする。ああ、水だ。雨がこの炎を消してくれれば、「みんなたすかるかもしれない」…… +++ 「ライニアル、君は綺麗だよ。 臆病? そんな事は無いさ。 ……私がね、視線を合わす人たちは皆、怖がって離れていった。 それなのにライニアル、君は見つめ返してくれたじゃないか。 ……ふふ、風の流れが変わったね。ライニアル、世界が君を歓迎している証拠だよ。 だからもうそういう事は言わなくていい。 私……ううん、僕、でいいよね。君の前でなら僕は僕でいられる気がする。 大好きだよライニアル。ずっとずっと一緒にいようね。」 思えばきっと似たもの同士だったんだ。 ゴトゴトと汽車の揺れる音がする。また見世物にされるのだろうか? でも大丈夫。君となら、もうなんにもこわがる必要はない。 みんなたすかるかもしれない。 +++ 叶えるべき願いの為に捧げたのは、幸運、そして魂。 僕とライニアルはここにいる。 これを読んでくれたあなたのためにここにいる、少なくとも今はそう思わせて欲しい。 |
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![]() | Main Action 1 |
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特にありません。 |
![]() | Battle!! |
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![]() ![]() 攻城戦を開始!
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リーフォン君 は以下を装備!
【防具】 焼け焦げた服( 服 / 20 / - / - / - ) 【装飾】 火傷( 装飾 / 20 / - / - / - ) OZz側の前衛がいないため隊列が詰められた! |
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![]() ▼リーフォン君の行動!
Critical Hit!! ラルフに 1879 のダメージ! ラルフのVITが低下! ▼ラルフの行動!
リーフォン君に 162 のダメージ! |
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![]() ▼リーフォン君の行動!
ラルフに 456 のダメージ!
Critical Hit!! Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 611 のダメージ!
Critical Hit!! Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 571 のダメージ! ▼ラルフの行動!
リーフォン君に 177 のダメージ!
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4 CP を獲得! |
![]() | You can advance!! |
ネクターをいくつか預かった。
リーフォン君(1799) は ルリアンナ材 を獲得! リーフォン君(1799) は ラルフ鉱 を獲得!
そう言って、2人は去っていった。 |
![]() | Main Action 2 |
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![]() 特にありません。
![]() [物Lv.10]アニマ を成長させました!(Lv.10→11、CP-10) [物Lv.11]アニマ を成長させました!(Lv.11→12、CP-11) [物Lv.12]アニマ を成長させました!(Lv.12→13、CP-12)
![]() 特にありません。
![]() 霧依(1768) からの勧誘に応じ、パーティに加わりました!
![]() 紅色の生命の華が成長し、新たな絆を紡ぐ・・・ CPが 27 増加! |
![]() | Let's Ikki !! |
![]() | Next Battle |
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![]() | Area Message !! |
![]() | Character Data |
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