それはアツいアツいナツのヒ
ワタシはおソトにデカけていて
トオいトオいあのドウクツで
ヒトりのヨウセイさんにデアった
ワタシはカノジョとおトモダチになったの

———ネエ、アソビマショウ？





私の村は、今はどうなっているのでしょうか。

あのお墓は、いつまでも残り続けてくれるのでしょうか。

荒野から吹き抜ける乾いた風が頬を撫でる。

手元にあるコインをぎゅっと握りしめる。

何もかもを失った私にとってただ一つ、他人と自分を繋げる印。

願いはただ一つ、「あの時」のような楽しい時間を再び作り出したい。

そう、ここに『家族』は居る。

だから……だから私はきっと大丈夫。



———黒く染まった錆びに塗られた歯車は、キリキリと軋みながら廻り続ける。






＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　リレッタのギルド日誌　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




本日の出来事。
ギルドメンバー：ENo.44 グリゴリ・ドミトリエヴィチ・ラージン


ギルドの調理場を借りてお料理をしていたのですが、リーダーに怒られました。

この間、麺汁を少しの間麦茶用の瓶に移していたのですが、間違えて飲んでしまったようです。
大変申し訳ないことをしてしまいました……。

次は誰も間違えて飲まないようにちゃんとお醤油の瓶に移しておきましょう。

うん、これで安心です。

……え？　どうかしましたかジュリさん？

……？？？

あ、お腹が空いたんですか？大丈夫ですよ、直ぐ作りますね！




***次の日の日誌***




……リーダーに怒られてしまいました……。
空っぽの麺汁の瓶が勿体無かったので薬草の煎じたお薬を入れていたのですが、
間違って味付けに使ってしまったそうで……。

つ、次こそは…！


そういえば、村の近くの梅の実がそろそろ収穫できたはずですね。
何かちょうどいい瓶はあったかしら……？



（※麺汁：ソレに準じたものを判りやすく表記した。実際にお茶に近い色身をしており、濃い目の味付けをする時に好まれる）

（※梅：ソレに準じたものを判りやすく表記した。日本の梅よりやや甘味が強い。多量に食べると間接に軽い痺れを引き起こす。）

と、少女は鞄を漁ると一枚の紙を取り出しリレッタに手渡した。

——リレッタの体を黒い瘴気のようなモノが覆い、
　　それが晴れたとき、彼女の身体は紫紺の鎧に包まれていた……。

……勝利と同時、まるで剥がれ落ちるように鎧が消え去る。