|
「基本行動」を確認! 「取引行動」を確認! 「攻城戦」を確認! |
一揆参戦 1日目! - Diary |
<< 第0回 第2回 >> |
彼が村を出発して三、四時間程は経っただろうか。草原、森、山、森、畑、山、そして森。大して代わり映えのしない色の景色を軽トラックでひた走り、一揆衆のアジトへと彼は向かっていた。 「む。クロ」 「何じゃ」 無人の助手席から声がする。それにさして驚くこともなく、彼——『朝日奈 黒鉄』はその声に応えた。 「森の先に王城の手勢らしき集団が居るな。人数は数十規模」 「契約者はおるが」 「——少なくとも、一人。あるいはもう一、二人」 黒鉄がギアをニュートラルに入れると、軽トラが停止する。ふう、と息を一つ吐き、首に巻いたタオルで額の汗を拭いた。 「なしてこげな場所に王城ん奴らが来とるんじゃ。検問でもしちょうが?」 「いや、様子を見るに進軍途中の小休止といった所だな。税逃れの調査のために派遣された末端部隊か」 「ご苦労なことじゃ。ま、人間だげなら壁にもならん。強行突破じゃ」 ギアを入れ直し、黒鉄はおもむろにCDプレイヤーの再生ボタンを押した。数秒の無音時間の後、トランペットの音が大音量で車内に響き渡る。 「源三、やっど」 「応」 ========== 「隊長ー、そろそろ出発しましょうよー。次の村までまだ結構ありますよ」 部下の声に鼻風船をぱちん、と割られ、眠そうな目をこすり枕替わりの鞄から頭を起こす男。 「んあ、もうそんな時間か。いやー昨日も二時間しか寝てねーしなーほんと隊長はつれーわー」 「そりゃ明け方五時まで酒かっ喰らってりゃそうなるでしょうよ。今日はちゃんと寝てくださいね」 部下の言葉を軽くあしらい腰を上げようとした所で、男はそのざわめきに気づいた。 「おう、どうした」 「隊長、前方から何か音が——」 近づいてくるのは、クラクションの音。軽トラが土煙を上げながら、人が居ることなど全くお構いなしにスピードを緩めることなく突き進んでくる。 「ありゃ。少なくとも、作物の移動販売ってわけじゃなさそうだなあ」 腕の動きでジェスチャーをとり、部下を道の脇に下がらせる。しかし、自らは相変わらずのんびりした動きで、頭をぼりぼりと掻きながら欠伸をするばかり。 「隊長。どうします?」 先ほど男を諭していた部下が、その背の後ろに立ち指示を仰ぐ。んん、と唸った後、男は笑った。 「よっしゃ、まあやれるだけやってみるか。コンビネーションでいくぜ、エリヤ」 「了解。権限執行——『キリカ』!」 ========== ギアは既に5速まで入っている。アクセルはベタ踏みで、前方に人の集団が見えてもそれを緩める気配は無い。
クラクションの大音量に負けず劣らずの声量で、黒鉄がCDの音楽に合わせて歌う。しかし、それは歌声というよりも怒鳴り声に近い。
「おい! おい!!! 聞いて……聞こえているのか、おい!!!」 「あぁ!? 聞ごえどるがぁ!?」 彼の契約するエンブリオ——源三の焦りは、そのまま大気の流れとして車内に表れていた。全面の窓ガラスが、びりびりと震える。 「まさか、このまま無策で飛び込むつもりか? 一揆に参加する前から殺人に加担するのは御免だぞ!」 「せからしかぁ。べづに殺すのは構わねだろ、敵なんだがら」 ちっ、と大きく舌打ちをした後、黒鉄は左腕だけでハンドリングを行いながら右手の人差し指で下を指差した。 「源三。飛ばせ」 「……は?」 「飛ばせ」 ========== 「なあ、エリヤは下がってろって。援護なら少々離れたってできんだろ? こんな所でてめえの命張るもんじゃねえや」 「私は隊長の第一の部下ですから。ご心配なく、あなたが逃げた時には遅れず付いて行きますので」 話す二人の右肩あたりには、既にそれぞれエンブリオが現れていた。隊長はサラマンダー、エリヤはシルフ。外見は人型を模しており、どちらもこの界隈ではスタンダードなタイプのエンブリオだ。 「あー、仕方ねえなあ。分かったよ、タイミングしっかり合わせろよ?」 「言われなくとも」 二人は小さく頷き合うと、それぞれ右掌を突進してくるそれに向けてかざした。 「権限執行ォ——『ほむら』ァ! 焦がして溶かしてバラしちまえや!」 「キリカ、あなたの風で炎を運んで! 動力を焼くか、あるいは風であの乗り物を横転させるか——最低でもスピードを緩められればっ!」 隊長の掌から巻き上がる炎。それは徐々に揺らめきを増し、渦へと変わる。 「行きます、『渦炎(かえん)』!!」 その渦はさらに大きさを増し、赤色の竜巻となった。ほぼ道幅と同等となったところで、徐々に黒鉄へ向けて前進を始める。軽トラックと契約者二人の彼我の距離、およそ100メートル。 (あの乗り物は、おそらく外の世界の技術か。耐久力のポテンシャルは分からないけれど、それでも無策で突っ切れるほど私と隊長のコンビネーションは甘くない!) 砂利の混じった竜巻がスピードを上げる。規模から見て、避けて道を通るのはほぼ不可能。かといって、道から外れれば朽木や背の高い草・大岩がごろごろ転がる荒地である。四本のタイヤでまともに走れるとは考えにくい。勿論、既にバック走で逃げ切れるような距離でもない。 「ふん。所詮は子供騙しん術じゃな」 それでも、黒鉄が表情を変えることは無かった。ハンドルは動かさない。視線をフロントガラスに集中させ、そのままのスピードで竜巻に車体をぶつけた。 「道ば作れ。源三」 「応」 その一言で、前方の炎の渦はトラックに引き裂かれるように左右に分かれ、暫くの後消え去った。巻き上がった砂利がぶつかり傷はいくつか入ったものの、車体への直接的なダメージは皆無。 「……っち! 相手方もシルフ使いか? 風を相殺——いや、単純にパワーだけで打ち抜かれた——ッ!」 大きく舌を打つエリヤに対し、隊長は相変わらずのらりくらりとした態度のまま、迫ってくる黒鉄を見た。 「案外簡単にやられたなぁ。こりゃこっちも奥の手が要るか」 ふぁあ、と欠伸を一つした後、今度はおもむろに左手を前方に向ける。 「権限執行——『くれは』。エリヤぁ、次はマジで下がっとけよ。おめーらもな」 エリヤと道の脇で待機する部下たちにそう言い、ウォーミングアップのように肩を起点として左腕をぐるぐると回す。いつもとは違う雰囲気に、エリヤは恐る恐る声をかける。 「た、隊長? ——大丈夫、なんですか」 「わかんね。だがまあ、ワンチャン腕一本で止められるなら分がある賭けだ」 腰を落とし、目標を見据える。現れたエンブリオは、契約者であるエリヤには先程と同じサラマンダーにカテゴライズされるものであることが感覚的に分かったが、その姿は明らかに通常とは違うものだった。 「そのエンブリオは」 「至近距離での破壊活動に特化したヤツだ。前に一揆衆に居たこいつの契約者のおかげで、城壁に大穴あけられたらしい」 一言で言えば、鎖であった。熱を持つが如く赤黒い光をうっすらと放ったそれが、隊長の左腕に巻きついている。それは彼を縛り付けているようにも、またその鎖自身が彼に縛り付けられているようにもエリヤには見えた。 「いきなり本稼働になるとはな。やんちゃなエンブリオなのは分かってるが、今の契約者は俺だ——しっかり働けよ!」 かちゃかちゃ、と鎖が震える。その意志を読み取ることができるのは、やはり契約者自身のみ。 「いっくぜ、おらあああ!!」 彼我の距離、10メートル弱。互いの視線がガラス越しに交錯する。 「バーニング——」「源三、今じゃ!」 相対距離が5メートルを切ったその瞬間、黒鉄は合図を出した。そしてその合図に合わせ、 「——んぬおおおおおおううう!!」 トラックの底面が、爆裂した。正確には、トラック底面の空間が。 「っ、マジかぁ!?」 「う、お、お、お、お」 鉄の塊が、空を飛ぶ。高さは10メートル弱程まで上昇し、なおも前方への推進力は失っていない。隊長やエリヤ、その他の兵も、あっけにとられその場から動けずにいた。 「——こちらの仕事は果たしたぞ、クロ! 着地は」 「分かっとる!」 落下、浮遊感覚。タイヤが地に着くと同時に、衝撃が黒鉄の全身を襲う。 「いっでぇ、な!」 頭と首だけは守りつつ、辛うじて道への着地に成功した軽トラはそのままエンジン全開。数百メートルも離されれば、もはや王城の軍に追いつく術は無かった。 ========== 「隊長、お怪我は!?」 トラックに突っ込む勢いでそのまま倒れてしまった隊長に、エリヤと部下達が走り寄る。しかしそれを、彼は右腕を振って制止した。 「あー、問題ねえよ。ちょっと足下がふらついただけだ」 隊長のエンブリオは、既に左腕からその姿を消していた。 「だが、想像以上にこいつはやべえな。技が不発であんだけの負荷か——もうちょい調整が必要かもしれん」 「……ある意味、幸運でしたね。あれが上手く逃げてくれて」 エリヤの言葉にそうかもな、と頷き、彼は軽トラックの行く先を見た。近頃になり、急激に増援が増えた一揆衆の拠点。あの『赤髪』がどんな手を使ったのかは定かではないが—— 「あいつも一揆衆に加わる魂胆か。やれやれだなあ」 は、と肺の空気を外に出し、視線を下げると、そこには見慣れない何かがあった。 「——これは?」 隊長が道端から拾い上げたそれは、花びらのようなものだった。何の花かは分からなかったが、黒一色の、どこか不気味さを感じさせる花弁だ。 「ん、黒い——花?」 「エリヤ、何か分かるか?」 「……いえ、でも、確証があるわけでは」 「構わねえ。言ってみろ」 促され、迷いながらもエリヤが言葉を紡ぐ。 「分かりました。隊長、『姥捨て村』について聞いたことは?」 「——軍の機密事項だ、ってことぐらいはな。俺はそこまでしか知らん」 彼自身、細かい事情は分からないが、その存在自体がアンタッチャブルであることだけは聞かされたことがあった。そして今に至るまで、ネクターの独占を宣言した王が率いる王城軍ですら、そこに手出しをできないでいることも。 「そう、ですか。噂で聞いたのですが、そこには」 一面に黒色の花が咲き乱れる、花畑があると。 そう言った後、少しの沈黙を置いてエリヤが笑いながら言った。 「なーんて。ただの偶然ですよ、黒い花だってそこまで珍しいものじゃありませんし」 「断定するには薄い証拠だわなあ。とりあえずあいつの顔は覚えた、次に機会があったらとっちめてやるべえ」 腰を上げ、今度こそその場から出発する面々。 「…………」 ポケットに入れた花びらを指先で撫でながら、彼は黒鉄の顔を意識に刻んだ。 |
Message |
<< 第0回 第2回 >> |
No.1290 フリーゲーム同好会 コミュニティに 6 件のメッセージ! No.1320 TRPGで遊びたい。 コミュニティに 9 件のメッセージ! No.986 ラジオ歓迎! コミュニティに 3 件のメッセージ! No.527 賞金首・賞金稼ぎ(PK・PKK) コミュニティに 3 件のメッセージ! |
Main Action 1 |
<< 第0回 第2回 >> |
特にありません。 |
Battle!! |
<< 第0回 第2回 >> |
攻城戦を開始!
クロ は以下を装備!
【防具】 農作業着一式( 服 / 20 / - / - / - ) 【装飾】 タオル( 装飾 / 20 / - / - / - ) |
▼クロの行動!
クロのAGIが上昇! ▼ラルフの行動!
クロに 124 のダメージ! |
▼クロの行動!
ラルフは攻撃を回避! ▼ラルフの行動!
クロは攻撃を回避!
|
▼クロの行動!
Critical Hit!! ラルフに 553 のダメージ! ▼ラルフの行動!
クロに 112 のダメージ! |
▼クロの行動!
Critical Hit!! ラルフに 158 のダメージ! Critical Hit!! ラルフに 149 のダメージ! Critical Hit!! ラルフに 149 のダメージ! クロの次の連続行動が早くなったかも! ▼クロの連続行動!
懐に潜り込む! ラルフは攻撃を回避! ▼ラルフの行動!
クロは攻撃を回避! |
▼クロの行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 652 のダメージ! ▼ラルフの行動!
クロに 123 のダメージ! |
▼クロの行動!
Critical Hit!! ラルフに 541 のダメージ! ▼クロの連続行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 659 のダメージ!
▼ラルフの行動!
クロに 118 のダメージ!
|
4 CP を獲得! |
You can advance!! |
ネクターをいくつか預かった。
クロ(1130) は ルリアンナ材 を獲得! クロ(1130) は ラルフ鉱 を獲得!
そう言って、2人は去っていった。 |
Main Action 2 |
<< 第0回 第2回 >> |
豚骨 を買おうとしましたが、財布にはPSではなく石が。 駄木 を買おうとしましたが、財布にはPSではなく石が。
[物Lv.10]シルフ を成長させました!(Lv.10→11、CP-10) [物Lv.11]シルフ を成長させました!(Lv.11→12、CP-11) [物Lv.12]シルフ を成長させました!(Lv.12→13、CP-12) [物Lv.13]シルフ を成長させました!(Lv.13→14、CP-13) [物Lv.14]シルフ を成長させるにはCPが足りませんでした。
作製 を鍛錬しようとしましたが、PSが足りませんでした。 ItemNo.4 ルリアンナ材 から 寄せ集め鎧 という鎧を作製しようとしましたが、PSが足りませんでした。
ItemNo.5 ラルフ鉱 から 鋭く迅き貫手 という小拳を作製しようとしましたが、PSが足りませんでした。
シエラ(1009) からの勧誘に応じ、パーティに加わりました!
紅色の生命の華が成長し、新たな絆を紡ぐ・・・ CPが 27 増加! |
Let's Ikki !! |
Next Battle |
|
DUEL!! |
Area Message !! |
Character Data |
<< 第0回 第2回 >> |
|