<< LIST [Notice] [RuleBook] [Result] [Lounge] [Link]


No.790 伝説の武器とか好きダカラッ!!霧生 氷雨


PLの趣味丸出しで申し訳ありません…(汗)。

 ■履歴
 【第1回】エクスカリバー(Excalibur)
 【第2回】カラドボルグ(Caladborg)
 【第3回】ゲイボルグ(Gaeborg)
 【第4回】ブリューナク(Brionac)
 【第5回】フラガラッハ(Fragarach)、タスラム(Taslam,Tathlum)
 【第6回】クラウ・ソラス(Claimh Solais)
 【第7回】グングニル(Gungnir)
 【第8回】ミョルニル(Mjollnir)
 【第9回】グラム(Gram)
 【第10回】レーヴァテイン(Laevatein)

------------------------------------------------------------------------------------
【第11回】デュランダル(Durandal)

出典:ローランの歌
持ち主:ローラン
種類:剣

さて、本来ならもうしばらく北欧神話に登場する武器について語るつもりだったのですが、ちょっとした大人の事情(笑)で、今回だけ舞台を再び西ヨーロッパに戻してみようと思います。
…ということで、今回はフランスの英雄・ローランが使用した名剣『デュランダル』にスポットライトを当てて見たいと思います。


◆『ローラン』について
8世紀末のフランク王国(フランス、イタリア、ドイツの前身)治めていたシャルルマーニュ(カール)大帝の元で活躍した『パラディン』と呼ばれた12人の騎士達。
そのシャルルマーニュの12騎士の中で最も優秀であったと言われているのが、『デュランダル』の持ち主であるローランです。
屈強な肉体と誇り高く勇敢な心を持ち、正義感に溢れる性格で武人の鑑と言われ、シャルルマーニュからの信頼も厚かった、まさに騎士の中の騎士と呼ばれるような存在です。
イギリスのアーサー王、ドイツのジークフリートと並ぶ、フランスの誇る英雄であったローランの活躍は、中世の叙事詩『ローランの歌(La Chanson de Roland)』の中で描かれています。

最終的には叔父であるガヌロンの陰謀にはめられ、自軍の10倍近い数のスペイン軍(イスラム教徒)と戦うことになり、最後まで騎士の誇りを貫きながら散っていきます。
彼は死の間際までシャルルマーニュの騎士として恥じないような戦いをし、決して敵に背を向けるようなこともせず、主君から与えられた剣『デュランダル』を片手に戦い続けました。
そして、シャルルマーニュの援軍が駆けつけたときには、小高い丘の上で既に息絶えており、周囲には数多くの敵兵士の屍が転がっていました。
ローランの腕には最後まで光輝くデュランダルが強く握られており、その剣は彼の死後も新たなシャルルマーニュの騎士の手で振るわれ続けることとなりました。


◆『デュランダル』について
叙事詩『ローランの歌』の中で語られるデュランダルの形状は、馬に乗ったまま扱えるような両刃の片手剣として描かれています。
これは物語の書かれた8〜12世紀頃である中世ヨーロッパの騎士の標準的武装が、片手に盾、片手に剣や槍であったためだと思われます。
北欧の英雄達の用いた破壊力だけを求めた武器と違い、西欧の騎士達の用いた武器はその威力は勿論、美術的な美しさも併せ持っておりデュランダルもその例に漏れなかったようで、光り輝く鋭い刀身を持ち、黄金の柄には水晶が埋め込まれています。
その水晶の中には3人の聖人の聖遺物(聖バジルの血、聖ピエールの歯、ローランの守護聖人である聖デュニの毛髪)と聖母マリアの服の切れ端が納められています。
聖遺物を剣の柄に入れるという風習は中世ヨーロッパでよく行われていたことであり、それによってその剣の持ち主に神の祝福と守護が与えられると信じられていました。

勿論、その切れ味も凄まじく、戦場においては敵の兜ごと頭蓋骨まで打ち砕き、鎧をつけた兵士の体を真っ二つに切り裂いたとも言われています。
また、ローランが命を落としたスペイン軍との戦いでは、ローランの持つ名剣デュランダルを奪おうと、多くの騎士が瀕死のローランを狙ってきたため、彼はデュランダルが敵の手に渡らないように壊してしまおうと考えます。
そして、大理石の岩に剣を叩きつけますが、刃こぼれするどころか岩の方が綺麗に真っ二つになってしまいます。
彼はそれを3回繰り返しましたが、結局デュランダルには傷ひとつ付くことはありませんでした。

デュランダルはローランが仕える主君であるシャルルマーニュ大帝から彼に与えられた物ですが、元々はローランが手に入れた剣を大帝に献上し、それをそのまま与えられたという形になるようです。
しかし、ローランが最初にこの名剣を手に入れた経緯としてはいくつかの説があるようです。

最も知られている説としては、シャルルマーニュがフランク王として即位したばかりの頃、ローランの前に天使が現れ「王にこの剣を授けよ」と言い残し消えてしまう。
そこで、天使の言葉どおり彼は王に剣を献上するが、王はその剣の素晴らしさをひと目で見抜き、「この剣を使って私の力となってくれ」と言い、その剣を『デュランダル』と名付けローランに与えたと言われています。
また別の説では、元々は妖精の鍛えた剣でユトムンダスという巨人の持ち物だったが、巨人と対決して勝利したローランが手に入れ、王に献上した後にその功績を称えられ下賜されたという説や、元々はギリシャの英雄ヘクトルの使っていた剣で、後世にアルモントという英雄の手に渡ったが、その騎士と戦って勝利したローランの手に渡り、シャルルマーニュに献上されたという説などがあります。


◆オマケ:『シャルルマーニュ』と『12騎士(パラディン)』の用いた武器について
叙事詩『ローランの歌』には、騎士ローランの用いた名剣デュランダルだけでなく、彼の主君シャルルマーニュ大帝や同僚(?)である騎士達の用いた名のある剣がいくつか登場します。

・聖剣『ジュワユース(Joyeuse)』
シャルルマーニュが父王ペパン(ピピン)から受け継いだ黄金の剣で、その名はフランス語で「喜ばしきもの」を意味しています。
柄の中には、キリストの脇腹を刺した『聖なる槍(ロンギヌスの槍)』の穂先の欠片が入れられていたそうです。

・名剣『オートクレール(Hauteclaire)』
ローランの友でもある、12騎士の一人・オリヴィエの用いた剣で、その名は「高く清らか」、「いとも清き」を意味します。
デュランダルと同じく黄金の柄を持ち、そこには大きな水晶が填められていました。
オリヴィエはローランと共に最期までスペイン軍と戦い、彼のオートクレールは多くの敵を薙ぎ倒したと言われています。

・名剣『アルマス』
ランスの大司教であり、シャルルマーニュの部下の騎士でもあるチュルパン(※)の愛剣。
(※チュルパンは12騎士に数えられる場合と数えられない場合がある)

・名剣『ミュルグレス』
シャルルマーニュの部下で、ローランの養父でもあるガヌロンの愛剣。
黄金の柄には、デュランダルなどと同様に聖遺物が込められている。


◆『デュランダル』の登場する作品

・『ファイアーエムブレム 封印の剣』
・『ファイアーエムブレム 烈火の剣』
《デュランダル》
形状は剣。
【攻撃力17 命中90 必殺0 重さ16 耐久20】
竜系の敵に特攻、エリウッド専用武器(データは『烈火の剣』のもの)。
かつて大陸を救った八神将の一人・ローランの用いた神将器。
別名『烈火の剣』。


・『伝説のオウガバトル』
《デュランダル》
形状は剣。
【STR+12】
古代天空人の用いた暗黒剣。


・『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
《ギルバート=デュランダル》
人名(男性名)。
プラント最高評議会議長。
声がシャアという理由だけで、第1話放送時から「こいつ、絶対裏切るよな!」と言われ続け、実際にその期待に応えた人(笑)。


・実在の兵器
《BLU-107 デュランダル》
滑走路破壊用特殊爆弾。
フランスのマトラ社(現在のEADS傘下のMBDA社)が開発。
滑走路上で爆発することで大きなクレーター(深さ5m×直径16m 程度)を作り、相手の航空戦力を無力化することが目的とされる。
第三次中東戦争において実践投入され、イスラエル国防軍がエジプト、シリア、ヨルダン、イラクの空軍基地に対して使用した。



コミュニティ参加者


 ENo.112 ダーク=ブラッドペインダーク
 ENo.287 フォンデュ=ブルギニョンヌてばさき
 ENo.722 神宮寺勇夜桜*
 ENo.790 霧生 氷雨Eins
 ENo.1034 虹雲 鏡華虹の探求者
 ENo.1506 オーギュスト=ラウフェイNOSU
 ENo.1605 萩原 悠士ひ〜で
 ENo.1740 仮面ライダー666666(オーメン)
参加者 計 8