（ABCDの方を向き）
アカ「いらっしゃあい。歓迎するよ。久しぶりの若い男だねえ、そっちの―天使のお兄さんと同じ部屋でかまわないのかね？」

アカ「悪いねえ、うちは湯はでるけどダイドコはァないんだよ。でも1階のアタシの部屋にゃああるんだ。それでよけりゃあ使っていいさ。（親指で自分の後ろにある部屋を示す）
代金ァいらねぇよ、けどもまあ…そうだねえ、あたしゃ丁度腹がへったから、何かごちそうしてもらおうかね？」

（ABCDの方を向き）
アカ「アンジェといったね、ようしよく来た。あたしゃ、あんたみたいにキレイな羽根は初めて見たよ。109号室かい？勿論だとも、とってきな」
（アンジェにむかって、鍵を放って寄越す。109と書いた木製のタグがついた、錆びかけの鍵である。タグには、まつぼっくりが掘られている）

アカ「あっはっは！みんなそんなに金を払いたいのかねえ？くれるってンなら貰うけれども、まあお若いのから金を取る気はないのさ。　そうだねえ、よかったらその羽根をひとつ、落ちたものでもいいからこのババアにくれないかね。お守りになりそうだよ」

アカ「うん？どこからかガキどもの声がするねえ、ボケんにゃあまだ早……っと、おやまあ、何だね、ホントにガキだよ、ふふふ！」

アカ「ひーふーみー、4人かい。何、冒険者だって？あっはっは！あんたらが言うならそうなんだろう。ホントの冒険者は子供であるべきなんだ。このアカだって――６つのときに秘境を目指して行方不明になってねえ、町じゅうを騒がせたことがある。そんとき見つけた秘境は隣町だったけれどねえ。こっぴどく怒られたもんだ
ガキ4人だなんて、泊めないほうが危ないよ、そんかわり4人でひとつの部屋で仲良くすんだよ、ほら。（207と書いた木製のタグがついた、鍵を見せる。獅子の絵が掘ってある）
おや、どなたに渡せばいいのかね？」

アカ「お代はいらないよ、ガキから代を貰うなんて同業者にバカにされる。…肩揉みぐらいなら、してもらおうかねえ」

ナズたちの方を見て、おやまあ、と眼鏡をかけなおし
「3名さまかね、ちょっと大人3人が泊まるには狭いかもしれないねえ…　ああ、409号室はベッドが2つあるけど……そこのアンタ（後ろの男性に向かって布団を投げる）
アンタはこれ使いなよ。イヤだったらも一部屋借りることだね、ふふ

アカ「お代？やれやれ、みんな景気がよろしいこって。女なのに力仕事が得意ってのは見上げた根性だねえ、気に入ったよ。そいじゃあ、ちょっと頼めるかね？少しでいいから、薪割りを頼むよ。かまどにくべる薪が切れそうなんだ。
玄関を曲がってすぐのところに木を積んであるから、頼んだよ」

アカ「さてさて、待たせて申し訳なかったねえ。これはあたしからの詫びだよ、とっときな……って、もらいものなんだけどね
（大きなバスケットに、かぼちゃのスコーン、パンプキンパイ、チョコドーナツ、煎餅…などが入っている。それを番台の上にどんと置き、「ご自由に！」とメッセージを添えた）」

ABCD(92)からのメッセージ：
ABCD「それなら火は不味いかな、火霊は仲間の誰も連れていないし――…」

ABCD「ああ、アンジェ　お花買ってきたの？（市から戻った相手、その腕を見遣り）」

ABCD「（洩れ届いた声にひどく可笑しげに笑い、耳を元の調子に戻した）　うん、獣の血が僕は入ってる。けれど不思議なことを言うんだね！そんな呼び方、僕は御伽噺や本でしか知らないよ。」

ABCD「と――　あれ。（新しい客に会釈し、記憶の糸を辿るように暫しの沈黙）　…あぁ！お鍋の時の…こんにちは。」

アンジェ(156)からのメッセージ：
アンジェ「名案では無いので真似しないでください！剣や尻尾が引っかかったら危ないですよ！」

アンジェ「（子供の一人の声に一瞬驚いてから）…そう言えば街を離れて以来、この島では種族として目立つことが少ないので忘れていました…（宙に浮かんだまま向き直り）あの、えっと…期待させてしまったならごめんなさい。僕は天使では無くてエルフとのハーフです。翼は母の名残なだけで。」

アンジェ「リエ……（知識としてのみ知っている言葉に）貴方達はそれでは、かの統一王国の系譜に連なるいずこかの地の方ですか。」

子供たち(460)からのメッセージ：
ノエル「わあ！（サッとティムの後ろに隠れ）　て、天使さまに挨拶してもらっちゃった！
どうしよう！　ええと、古代神聖語、古代神聖語…！（手に持った本をパラパラとめくり）
め、メドゥ、レイル、マファ、アル、ア・アタン…」

ティム「お、落ち着けよノエル、誰も最初から古代神聖語なんてしゃべってねえって！
つうか、犬の半獣人と一緒にいるってことは、天使じゃなくて鳥の半獣人じゃねーのか？」

リーリル「もう…あんた達いい加減にしなさい、お客様たちに失礼でしょ！　（向き直って）
大変申し訳ありません、うちのバカどもが…。丁寧にご挨拶ありがとうございます。
遅くなりましたがパーティを代表してご挨拶させていただきますわ。私、マ・ジョリー・リル＝ｋ」

ティム「（さえぎるように）リーリルでいいぜ。　俺はティム！　こいつ（と言って後ろに隠れている子供を
前に押しやる）はノエル、むこうはシジマ！　宿のばあちゃんも、獣人の兄ちゃんたちもよろしくな！
それと……あっ！　ナドゥの姉ちゃんだ！」

リーリル「……。　なんで、いっつも人の名乗りを途中で邪魔するのかしら…って聞いてないし…」

シジマ「……それより、他の客人も力仕事が得意となれば、
我らはやはり他のことにて、女将どのの助けになるが良いかと見るが…」

リーリル「あら、そうね！　じゃあ、やっぱりここは私のりょうｒ」

ノエル「（必死で割り込むように）う、歌をっ！　聖歌を歌えるし、ちょっとなら
楽器の演奏とかも出来るけど！　……そういうのじゃダメかなあ？」