「キュ？」
　女性の一人が首輪を探ろうとしているのを大人しく見ている。
　しかし触れど触れど毛、毛、毛。首らしき手応えはなく、
　それどころか肉や骨が無いのかもしれない。手どころか腕まで埋められそうだ。

ケイロン(1069)からのメッセージ：
「フム――」
ソニアの勧めを聞きつつ桜餅を食べる。口元は画面外で見えない。
「――ウム、此れは確かに美味い。少々甘いやも知れんが、桜の薫が良い彩りと成って居るな」

懐かしげに語る千草を見遣り。
「フム……生き物と過ごすと云うのも、苦労が有るのだな。想像は出来る。
猫、か。懐いてくれるのならば良いモノだろうな――鶏がペットと違うと云うのは？　鳥だからかね？」

ケイロン「――と、チグサさん。危ういぞ、其の兎は興奮して居るッ。」

チグサ(1889)からのメッセージ：
毛玉を微笑ましく見つめながら。
「おいおい君、相当パニックしてるだろう。
落ち着けつったって逃げちゃいそうだけど……ほれほれ、落ち着けって」

警戒するフォウトとケイロンに。
「まぁ大丈夫だろ。遺跡外でモンスターが出たって噂は聞かないし。
万一何かあったってこれだけ人が居りゃ何とかなるさ」

ソニアから差し出された桜餅に微笑んで。
「おう、ありがとさん。でも今この兎っこを触っちゃったから取っといて貰えるかい？
後で水でも借りて手を洗うわ」