マリア「江戸は人口が多い分、当然ながらごみも大量に発生しました。
慶安年間（1648-52）には既にその処理が問題となっています。
当時は、ごみを道路補修に使用したり、下水に掃き捨てたり、空地に捨てていました。
しかし当然ながら、そんな事をすれば道路や下水や空地の機能を損ないます」

マリア「その為、それらの行為は禁止されました。
そして明暦元年（1655）11月の町触で、ごみは永代島へ捨てるよう決められたのです」

マリア「ごみ処理は、収集・運搬・処分の三過程に分割されました。
寛文5年（1665）5月の町触で、以下のような基本的な処理方法が確立。
・ごみは市街地の外である永代島に捨てる　・収集のために大芥溜を町に設ける
・運搬、投棄は特定の請負人に任せる　・請負人への支払いは町が行う」

マリア「さて、ごみ捨て場にされた永代島がどうなったかと言いますと……。
埋立てにより、最終的に近くの陸地と同化しました。
元祖夢の島、と言ったところでしょうか」

マリア「享保19年（1734）には、塵芥捨請負人76人が株仲間を結成。
これを『御堀浮芥浚請負人組合』と言います。
江戸城御堀の浮芥を無償で除去する負担を負う代わりに、仕事を独占するようになりました。
また、大名屋敷では出入りの農民に屋敷内の掃除と塵芥処理を請け負わせていました」

マリア「今も昔もごみ問題は深刻。
埋立てにも限界がある訳ですが、今後どうなるのでしょうね。
現在でも東京は他県に処理を頼んでいるくらいですし」

マリア「さて、今回はここまで。
次回は何を話しましょうか……」