マリア「さて、今回は自治体の財政危機についていくつか話をしましょう。
レナーテの出番じゃないのかって？
本来はそうなんですけど、あんまりレナーテに愚痴を言わせたくないんですよね……」

マリア「現在、ほとんどの自治体の財政は逼迫しています。
皆さんがその理由としてぱっと思い浮かぶのは、まずは三セクや道路整備等でしょう。それはその通り。
しかし、早期に三セクを精算し公共事業を減らした自治体もそれほど状況は改善していません」

マリア「何故なら、ここまで財政危機が深刻では無かった時代の事業の借金がまだ残っているからです。
特に平成15年あたりに景気回復の勢いに乗って無駄な物を作ってしまった所は悲惨です。
今後5年から10年くらいは巨額の返済に予算が圧迫され、まともな新規事業なんかできません」

マリア「あと、施設や道路って作って終わりではなく維持もしなくてはならないのですよね。
道路工事を見るたび『また予算消化ばかりして！』と思う人も多いでしょうが、昔ならともかく今は予算消化どころか維持費も足りません。
当市でも、崩落で通行不能になった市道が二つほど放置されていた筈です」

マリア「道路や建物だけではなく、市有地だって維持費がかかります。そこで偉い人は考えました。
『売ってしまえば維持費もかからず固定資産税も入ってくるじゃないか！』
ええまあ、間違ってはいません。
しかし、特に便利でもない土地を中途半端に整備して中途半端な値段で売っても売れる筈無いですよね」

マリア「そんな訳で、宅地造成事業や工業団地整備事業も赤字の原因となります。
そもそも、まともに売れるような市有地はとうの昔に売り払っています。
余り物を売りさばくのなら、もっと極端に値下げするなり何なりしないと」

マリア「そして、それらの陰に隠れながらこっそり赤字を垂れ流しているのが下水道事業。
水道本管の埋設深は1m程度ですが、下水本管は場所によっては4m以上の深さになる事もあります。
巨大なたて込み式簡易土留を使って工事している様は圧巻ですが、当然ながら工事費用は嵩みます」

マリア「しかも、下水は基本的に自然流下に頼っているので自在に管を曲げる事が出来ないのですよね。
進路に何かあった場合、相手に移設してもらう必要があります。
勿論、その費用は出さなくてはなりません」

マリア「しかし、そんな費用をかけて無事敷設が終わったとしても……。
町外れの場合、数百メートルに数件しか利用者が居ないと言う事も普通にあります。黒字になりようが無いですよね、これでは。
水道は公営企業会計でせっせと黒字経営しているのに、下水はいつまでも特別会計でのんべんだらりとやってるからこんな事になるのですよ。
町外れにまで無理に下水管を引かず、合併浄化槽でも導入すればいいのに」

マリア「おっと、下水にはちょっとした恨みがあるので長々と語ってしまいました。
え、恨みとは何か？……下水工事、しょっちゅう水道管を壊すんですよ。しかも終業時間間際に。
大型バックホーのバケットが直撃して哀れ水道管は真っ二つ、数十トンの水が土を潤し周辺区域は赤水と黒水の嵐。収拾のために断水工事を敢行するも苦情が来るのはいつも水道課でしたとさ」

マリア「どうにも暗い話でしたが、今日はここまで！
次こそ明るい……とまでは行かなくても、暗くない話を用意するつもりです」

ミィ＆仁義(222)からのメッセージ：
ミィ＆仁義「希少価値があるものはどの世界でもやはり高いってことでしょうねぃ。
やっているからこそ見出せる価値はあると思います＞レナーテさん」

ミィ＆仁義「子供はモノじゃないとはいえ、金がなきゃ預かることすらできないのですから…
制度の壁は厚い、ですねぃ。」

ミィ＆仁義「さて、早々に中の人のネタがつきかけていますねぃ…
本日の小ネタは、ベリリウム」

ミィ＆仁義「工業用製品に欠かせないこのベリリウム。毒性があるらしく取り扱いには厳重注意、な物質なわけですが…そんなものを使ったオーディオ製品があります。
YAMAHAの大ベストセラー、NS-1000M」

ミィ＆仁義「元はスタジオ用のモニタースピーカーでしたが、手軽な大きさ、中高音域の再生再現性が素晴らしいということで個人にも売れた一品。実に23年間生産されていました。」

ミィ＆仁義「スウェーデン国営放送局に正式採用された，など逸話もある良い代物ですねぃ。
ただし、パワーのあるアンプじゃないと十分に音がでないそうで。
意外と、どこかでみかけるかもしれないスピーカーというお話。」