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No.354 呪告儀式ジャンニ・マリア・フィオット


M-13、島の中央、聳え立つ大樹ユグドラシルのひざもと。

大地には簡素なやぐらが組まれ、
七つの髑髏の蝋燭立てには黄の炎が灯る。
金粉、銅粉、灰、枯れ草が盛られた椀が四方に置かれ、
硫黄の香る小壺が中央に鎮座する。

七つの段を持つ梯子を模した小さな木製の細工物が、
ユグドラシルの幹に立てかけられている。

呪物商ジャンニ・マリア・フィオットと、
雨云十三郎の、それは儀式の場。


※※※※※※※※※※※

E-No.354 ジャンニ・マリア・フィオット
E-No.994 雨云十三郎

の2名があれこれするためのコミュです。



コミュニティメッセージ


ジャンニ(354)の声は粘りつくように低く響く:
「『アルクリーフ』……歩行雑草、『アルクリーフ』か。
 覚えていますよ、そんな名前も。たしかトライアド・チェインの一員にあった」

「とうに『過去』へくたばっていたとは思わなかったな、
 いや、そういう類いの冒険者ももちろんいたんでしょうがね。
 そうすると私が作らされた『偽物』は……いま、ヤツの手元にあるのか」

「これまでに作ってきた宝飾品、むろん私は覚えている。よおーくね。
 とりわけあれは、『マナ』とともに強められた私の技術の、ごく初頭に手がけたものだ。
 忘れるはずもない」

「雨云十三郎。三式B型。私はただの介添え人だ。
 これはあんたらとその歩行雑草の物語です。
 私がたとえ少しはそいつに関わっているからって、そいつの人生のゴミ拾いまでするつもりはない」

「……私の使う術はあくまで『呪術』だ。『召喚』じゃあない。
 呪術は、伝達術。呪いを『届ける』こと、起こそうとすることまでが私のロールです。
 それ以上はあんたらがやりなさい。あんたらとそいつの物語の範囲でね」


「――始めますよ」

 呪物商ジャンニの手からとりどりの光がこぼれる。
 光はひとつひとつ大地に吸い込まれ、
 七色の染みを作って、けれどそれもやがて消えてゆく。

 指輪を喰い破って花々が芽吹く。
 サクラ、ミュゲ、クランベリーリーフ……
 さまざまの香りが混ざり合って空に溶ける。


 樹の根元から、灰の香りが湧きたつ。

  《はるかなる時間と空間の彼方より》

          《呪術の理をもちて呼びかける》

    《無為 剰余 不和 敗者 穢者
            名指され落とされた ここにない
                血まみれの選別を通過し 舞台を定められた禁忌よ》

 ねばりつく声の詠唱と共に呪物商はひざまずき、
 蛙のように這いつくばる。
 大地に口づけるように、ささやきかけるように。

   《この土地よりおまえに呼びかける
      思い返せ 一握の過去 灰ならざる日々の追憶
        眠りのうちになおも照り返す 現在 の消息……》

 ジャンニ・マリア・フィオットの長い三つ編みが泥化したに垂れる。
 ちゃぷり、と音を立てて、その三つ編みは、泥の深くへ沈んでいく。
 深く、深く、あまりにも遠くへ、ずるずると髪は沈んでいく。


 香りが呪物商の口元から吐き出され、大地の底へ沁み込んでいく。

 

サクラが呼んでいる 
グリーンティとクランベリーリーフの螺旋階段
登りきった先、クラリセージの風

ミュゲが軽やかに駆け抜ける
手折ろうとする手をシナモンが惑わせ
ベチバーとスウィートモスの大地


懐かしく 幼い記憶を覗き込むような

 

 ジャンニの三つ編みが、

 泥の底でわずかに引かれる。

「――通じる
 
 です、三式B型

B.B.(994)からのメッセージ:
 「……聞こえている、ジャンニ・マリア・フィオット。
  …ボクの耳は、悪くない。
  ……そして、ココまで恥を晒し、無様を晒して繋いで、来た。」
  


 「……いや、違う。 ……そうじゃ、無い。」

 「……ありがとう、ジャンニ・マリア・フィオット。
  …ボクの、ボクらの我儘を聞いて、くれて。
  ……お前に労多く利の薄い、この話を引き受けて、くれて。」

 「……目標はアレが…雨云 十三郎が告げている、か?
  …『鎖無き宝玉入れ』、だ。
  ……材料が足りねば、集まりつつあるTCの面子から集めても来られる、が。」


 「……では合図を、頼む。」
 
  


 「……!!」




コミュニティ参加者


 ENo.354 ジャンニ・マリア・フィオットKRNG
 ENo.994 雨云 十三郎ハイヤ@17
参加者 計 2