ENo.1218 猛禽類

っし！！ちょろいもんだぜっ！

わー、凄い………ほんとに狐を捕まえちゃった。

たかが狐だろ。この程度できて、当然だぜ。
まぁ、おまえにはまだまだ狩るのなんて無理だろうけどなー。

ぶぅ。いいもん、
僕はお母さん達がお肉狩ってきてくれるまで待つから。

そうしてろ。そうしてろ。あぁ、うめぇな。

…………ねえ、アイビス。
死んじゃうと…………どうなるのかな？

なんだよいきなり。獲物に同情するつもりか？

いや、そんなつもりはないけどさー。
ワイバーンとか襲われたり、痛い思いとか何度もしたけど、
こうやって狩られちゃったら、どうなっちゃうのかなぁーって。

おまえ、なんだかんだで、よく死にかけてるもんな。
俺様と会う前に、狐に襲われてトラウにもなったって………

うわぁああっー！！そ、それ、聞いちゃったのっ！？秘密にしてたのにーっ！！
………言ったの、お姉ちゃんだな。きっと。

当たり。
……っと、母ちゃん達、帰ってきたみたいだな。

あ、ほんとだ。僕達も帰ろ！
そうだ、お母さんなら知ってるかなっ。聞いてみよっ！

ったく。最初っから、そうしろよ。

………いなくなる？

そう。死んじゃうと、遠くに行っちゃってもう会えなくなるの。
ラヴが死んだら、ラヴはもう誰にも会えないし、誰もラヴに会う事ができないのよ。

へぇ……なんか寂しいなぁ。

そうかぁ？
姉ちゃんも、母さんも、一人で生きてきたんだろ？
誰に会えなくなろうが、俺様の知ったこっちゃねぇぜ。

えー。でも、僕はアイビスがいなくなったら悲しいよー………。

俺様は、おまえがいなくなりゃ、食いぶちが増えるから歓迎だけどな。

ひ、ひどいよぉ………。

ま、死ぬつもりなんてサラサラないし。
そんないつ来るか解んねぇ事、気にしても仕方ねぇだろ。
そん時はそん時だよ。

アイビスの言う通りね。
生きているうちはなんだって出来る。死んだらそれまで。
だから、二人そも精一杯生きるのよ？

うんっ！
言われるまでもねぇよ。