子どもたち(460)からのメッセージ:
ノエル「虎さんの踊りはぼくも見てみたいなあ! バラから虎になれるくらいだもの、 もう一段階変化して2本足で立ったりできないの? …ふふ、冗談だけどさ!」
ノエル「…東の国では、八百万人か、それ以上の神様がいらっしゃって、物の一つ一つに それが宿っているって、前にこの島の…ジンジャーとかいう神殿の人に聞いたことが あるよ。 虎さんの話で思い出したんだけど!」
ノエル「でも、僕らの国のお話には7人しか神様は出てこないし、この島の伝承でも、 たしか守護者さまは7人だったから、そういうところも国によって違うのかな。 そうしたら、『神様』って存在の定義自体は違うのかもしれないよねえ。」
ノエル「…そう、ぼくたちの国にも一番最初は神様が直接降りて来られることもあったんだって。 『統一王朝』の一番最初の王は、太陽神の血を引いていたっていうし、 伝説に名前の残っている英雄なんかは、神様の『本当の名前』を呼ぶことで、一生に 一度だけ、直接お願いを聞いてもらえる権利を持っていたこともあるっていうし…」
ノエル「今、そういったことがないのは、虎さんのいうとおり、みんなの心が神様から 離れてしまったからなのかな。 それとも神様はまだ人間たちを見ていて下さって、 ぼくたちが何が起こっても自分たちの力で乗り切ることができるようになるのを、 お母さんみたいな気持ちでただ見守っているのかもしれないね。」
ブラン(175)からのメッセージ:
ブラン「麦のお茶かぁ、聴いたことはあるけど、飲むのは初めてかな。(ぺろぺろとお茶を嘗め) …ウン、冷たい。夏には丁度良いね。見た目も爽やかだしね! 普通のお茶とは違った苦みで、私は良いと思うなぁ。」
ブラン「神様のカーテン…かぁ。素敵な名前だね。霧って確かに不思議な力があるように思うなぁ。 一番人に近い、神様達の居場所もいつも霧に囲まれていたんだ。 その場所は、エリーズィオって言う聖獣の上なんだけどね。私たちもよく彼の上に乗せてもらっていたんだ。」
ブラン「神様は陸も生きている、って言っていたなぁ。世界もそうやって、変わり続けた…って。 その変わる過程で、住む種族や、終わりのなさ、色々なものを私も見てきた。 やっぱり生きている、って私も思ったよ。だから終わり無く、続いている、ってね。」
ブラン「私もあすこで初めて雨の力が足りなくなった時、神様に聴いたんだ。 海や湖じゃ駄目なのか、って。でも何故か、神様は雨じゃないといけない、って言った。 今でもそれはよく分からないんだ。普通の水だったら…あまり苦労しないんだけどね。」
ブラン「雨の力が何処までたまるのか…私にもわからないんだ。やってみたことが無くってね。 不思議と世界はバランスがとれていて、いつでも良い感じに雨の力があった。 私たちは本当に微調整しかしなくていいんじゃないか、ってくらい、バランスが存在してるんだよね…。」
ブラン「アッ… …そうだね、誰でも踊れても、そういう風に踊れる訳じゃないもんね。 踊り自体に魔力があって、踊り手にも魔力があって。そんな踊りもあったかな。 祈りや願いが魔力に似た力を発する、っていうのも聴いたことあるよ。」
ブラン「何にでも存在する意味があるように、踊りにも生まれた意味があるんだよね。 元々は神様に願いを届ける儀式だったものが、伝統になり、文化になる。 …そんな移り変わりも沢山あるからね。今でも何かしら、意味を持っていると思うよ。」
ユーリ(1091)からのメッセージ:
ユーリ「ありがとう、麦で淹れたお茶は飲んだ事が無いわね、どんな味がするのかしら…? …うん、すっきりした味で、暑い日に欲しくなるわね。 独特の苦味は、麦の薬効という事にしておきましょ。良薬口に苦し、とも言うし…」
ユーリ「そうね…例えば、私達の住む土地では、神様は特定の名前や姿形を持たず、 全ての自然物に宿るという、自然崇拝的な性格の信仰が浸透しているわ。 それらを育み、己が糧とし、感謝の念を律動に乗せ、次の収穫を祈願する… という流れで一年を越していくの。環境以外は、普通の農村とそれほど変わりないかしら」
ユーリ「『砂人』と違って、私達のとっての唄や踊りは、特別な力の無いただの慣習行事だけど、 遠い祖先の代で、唄や踊りに巫術、呪術的な分野を絡め、荒野の再生を図った…。 と、される口伝もあるにはあるわ。もっとも、真実かどうかは定かではないけれど…」
ユーリ「各地で治水技術が発達するまでは、神頼みのような面もあったのではないかしら。 実際、その儀式自体に、天候を操作する程の力があったのかは確かめようがないけど、 先祖達が仲間と共に灯を囲み、紡いだ唄や踊りが、今の私達を支える起源なのは間違いないわね」
ユーリ「…人は過酷な環境の中、人心の結束無くして共に生きる事は出来ないもの。 運命や神様だけを信じるのではなくて、何より互いを信じていたからこそ、 私の一族は今日まで在るのだと思っているわ。あるいは、祖先が頑張っている姿を 神様が見ていて下さって、陰ながら手助けをしてくれた結果かも知れないけれど…ね?」
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