「……………」

動く煉瓦は、細い腕をぷるぷると震わせてタカシの引いているキックボードを指差しました。
どうやらキックボードに衝撃を覚えているようです。

ぷるぷると、まるで武者震いのように震えた後――――

動く煉瓦は、持っていたイナバの参考書に乗り、

スライディングをし始めた―――…！！！！

「人の参考書で何やってやがる
この駄建材ィィィィイイイ！！！！」

動く煉瓦は、イナバに思い切り蹴られ、
その辺の芝生の上を勢いよく転がっていきました…。

＞シロアリ
シロアリが倉庫を齧ると、倉庫の近くで短くて小さい地震が起きました。

「……」

動く煉瓦は倉庫を齧るシロアリを見つけると、
棒のような腕をぶんぶんと荒々しく振って、
シロアリに向かって角をぶつけようとしました！

齧っていいかと聞かれれば、更に荒々しく腕を振って身体をツイストさせました。

文字を教えてやると言われれば、煉瓦はおとなしくなって、
シロアリと一緒に本へ向かいます。

動く煉瓦は、本に書かれた「蟻酸」という字をなぞりながら、シロアリの言葉を聞いて、

「…」

細い腕の端を丸め、両腕を上へ掲げました。

それは、まるで
「コロンビア」　と下にテロップをいれたくなるような、そんな姿でした。

動く煉瓦は　「ア」　「リ」　「蟻」の字を覚えました。