白銀の魔導師アス「造られしって事は何かの材料から作られたって事ですよね。
とりあえず解析して分かったのは・・・まぁ魔力解析なんてしなくても分かると思いますが、アレはたぶん生物ではありません。生物は魔力を自らのうちに持つものですが、アレは内部に魔力を持ってません。代わりに外部から。えっと、こちらの魔術に組み込まれた魔力とか周囲の生物から奪った魔力を自己の力として利用してます。」

白銀の魔導師アス「で、ですね。構成材は有機化合物や金属結晶体・・・そのあたりは普通の人間とかわりません。一番違うのは魔力の使い方ではないかと。
アレはこちらの魔力を吸収することで、エネルギーをとり、それをほぼ全てガードというかリフレクトにまわしています。そこが一番厄介なんですよね。リフレクトは全ての攻撃を一定のエネルギーを消費して相手に返すものですから純粋な力では打ち破れないので、敵のリフレクトが追いつかないレベルで連続攻撃を叩き込むのが有効な戦術です。私の魔術にはあまりそういう技は無いので私は保護や援助に撤したりもしてましたけど。」

白銀の魔導師アス「まぁ戦い方そのものはそんな感じです。で、ですね。動く仕組みにひとつ機械や魔術では説明の付かない現象が二つあります。
ひとつは魔力の自己還元性の発揮。もうひとつは魔力指示能力です。一つ目は自分以外の魔力を自分の魔力に還元するのは還元する魔力量が膨大でもない限り効率が悪過ぎて普通なら誰も使わないんですが、アレは普通に使いこなしてるでしょ？
あれは魔術を使おうと不可能です。いえ。魔術ではむしろ不可能です。科学でも同様ですが。」

白銀の魔導師アス「で、もういっこの魔力指示能力っていうのは要するに魔力を従わせる素質みたいなものです。コレが無いとそもそも魔力を操作する事は不可能です。生物・・・というか精神を持つものはもともと持っていますし、魔力から構成された擬似生命体は相互干渉でそれを補っているんです。でもただの機械や魔術を使って動くようにしたただの肉体にはそんなものは存在できません。
だからそのあたりに『マナの力』とやらが関わってるんだと思いますよ。まぁ。アレの素材や、魔術自体はそんなに特別なものでも無いのでがんばってくださいね。」