レナーテ(385)からのメッセージ:
レナーテ「まさか参加者が二桁に届くとは思わなかった。嬉しい限りだ。 Mimirs Stauseeへようこそ。歓迎しよう」
レナーテ「早速の知識の提供、感謝する。 ここで語られた内容が、参加者にとっての財産となってくれるよう祈る」
レナーテ「さて、今回は水道に関する話をするとしよう。 水道には水質基準が細かく定められているが、その中に鉄、そしてマンガンと言う項目がある。 どちらも生体必須元素だが、水質苦情の殆どはこの二つが原因だ」
レナーテ「まずは鉄について解説する。 水質基準は0.3mg/l以下。平均致死量は200〜250mg/kgだ。 ただし、40mg/kgでも死亡したと言う報告がある。 多量摂取し死亡した者を解剖した結果、胃粘膜に出血性壊死がみられたそうだ」
レナーテ「もっとも、仮に40mg/kgで計算したとして……。 体重60kgの者が死ぬには、水質基準の100倍の鉄が含まれる水を飲んだとして80リットル。 しかも、水に含まれる鉄を全て吸収できたと仮定しての話だ。鉄以前に別の原因で死ぬだろう。 なお、シジミならば24kg、ほうれん草ならば65kg弱となる。これも、鉄を全て吸収できたとしての話だが」
レナーテ「実際には、水から摂取される量など『最低必要量』と考えられている7〜48mg/日にすら届かん。 つまり、鉄の水質基準は健康被害を防ぐために設定されたものではない。 では、何のために設定されているのかと言うと、着色や異臭味対策だ。 0.5mg/l程度で味覚に感じ、多少の混濁を生じる。いわゆる『赤水』の一つだな」
レナーテ「だが、水質基準に適合していても赤水は発生する。 いや、鉄の水質基準超過による赤水の方が少ないと言っていいだろう。 しかしそれらも、鉄が原因である事には変わりはない」
レナーテ「では、『水質基準を守っていても発生する赤水』とは何なのか。 いくつか種類はあるが、最も多いのが酸化鉄……つまり『錆』によるものだ。 水道水に含まれた鉄は徐々に酸化され水道管の内部に付着する。管の素材と水質によっては管自体も腐食する。 そして、管内の流速や流れる方向が変化した際に剥離し、水に赤い色がつく」
レナーテ「漏水や消火栓の使用は流速変化の原因となる。 火事が起きた場所の近くで赤水が出る事があるのはこの為だ。 他にも、地震で錆が剥離する事もあるな。 たかが錆、と思うかもしれないが、時にはトマトジュースのような水が出たりもする」
レナーテ「この『錆の剥離による赤水』が苦情のトップだ。 なお、剥離しなければしないで厄介な問題が起きる事もある。 私が見た事例では、口径50ミリの配水管が大量の錆によりほぼ塞がり、実質的な口径が10ミリ程度になっていた」
レナーテ「……鉄を語るだけで随分と長くなってしまったな。 マンガンについては次回に解説するとしよう」
璃珀(113)からのメッセージ:
璃珀「おじゃまします……みんな役に立ちそうなこと言ってるから、役に立たないこと言おうかな……」
璃珀「狐らしく狐っぽいことを。キツネの妖怪っていうと九尾の狐が有名だと思うけど、年齢を重ねた狐が一本ずつ尻尾を増やして9尾に成長する、という話は聞いたことがあると思う。」
璃珀「でも狐としての最終形態は9尾じゃない。それ以上に霊力を貯めた狐は一本ずつ尻尾がなくなっていく。しっぽの数だけで力量を見分けてはいけないということだね。」
璃珀「ただし、その段階に至った狐はまず資料に残っていない。妖怪というよりは神に近しい存在となって俗世と完全に切り離されるから。 もっとも、妲己や玉藻の前に代表される9尾の狐でも十分な脅威を持った妖孤だったみたいだ。九尾以上になる狐は数自体が少ないのかもしれないね。」
璃珀「……この前知り合いが殺生石見に行ってたんだ……玉藻の前が倒されたあと、その身が石に変わって、近寄るものすべてを殺す毒を吐きだすしたという。それを高僧が破壊して砕け散ったなれの果て、といわれてる。見に行きたかったな……」
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