ENo.896 ミリア・イグ・ルヲズ

- remember me -　”リシェイアについて”

イ｢君の中に既に概念としてある危険な液体の一つについて教えておこうか。｣

ミ｢?どんなです?｣

イ｢アルカリ金属って言ってわかるかな?｣

ミ｢第一族の元素…のことっすよね??でも液体なんてあったっすか?｣

イ｢まぁ、特殊すぎて普通は知らないし使えるとも思わないだろうさ。
第一族の元素の特徴は含水大気でのその高い反応性をもつことにあることは知ってるね?
まぁ、水素は例外、リチウムは原子核が近くにありすぎてあまりその特徴を表面に出していないようだが、
3つ目のナトリウム以降は空気中で発火、
5つ目のルビジウム以降にいたっては爆発というのがふさわしいほどの反応性を発揮する。

…とはいえ此処のように低周期を主要元素とする場所では7つ目以降なんかは放射性元素として
反応する前に原子自体が崩壊してしまうようだが…ね。｣

ミ｢怖いっすね。でもどうしてボクにそんな話を?｣

イ｢この第一族の高周期側さらに先にリシェイアという特殊な金属元素がある。
この元素は水銀同様常態で液体の金属…という特徴を持つ…と、ココまで言えばわかるかな?｣

ミ｢?でもそんな液体の事知らないよ?｣

イ｢まぁ、さっきも言ったように低周期を主要元素とするココのような場所では
放射性元素として反応する前に原子自体が崩壊してしまうからね。
その分ほとんど意識上にのぼる事もほとんどないんだろうさ。｣

ミ｢そんなすぐに崩壊してしまうんじゃあ結局使えないっすよ。
それにそんなものボクの中に創ったら自分が危ないんじゃ…｣

イ｢そのままでは…ね。
この原子を術理的に安定化してやれば、半減期ゼロ化することもできる。
すると、その非常に早い爆発といっていいほどの反応が見ることができる。
まぁ、術式を上手く編まないと、安定化により、爆発的な反応を抑制することもあるから
反応性の選択的なブロッキングをする…ということで若干難易度は高いけどね。｣

イ｢もう一ついうと、精霊体中に存在する分には実体を伴わない概念のみ故、危険ということはないよ。
ただ、実体化させる際に細心の注意が必要なのは確かであるがね。
かなり厄介ではあるものの、使いようによっては便利なこともあるかもしれないからな。
覚えておくといいさ。｣

ミ｢分かったっす｣
元気な様でよく分かっていなさそうな返事だった。