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No.372 エプロン愛好家の集い鳴尾 恭平


エプロン愛好家の集い――アトリエ「Para Tu Amor」

 カランコロン 扉に取り付けられた小ぶりな鐘が 、来客を告げる音を響かせました。

 あなたは物珍しさに惹かれて、町の片隅にある小さなお店を訪れました。
 あまり広いとはいえない店内に満ちた、お菓子の甘い香りに迎え入れられます。

 生成り色の簡素なクロスのかけられたテーブルには、季節の花が飾られ、
 壁に沿って並べられた机は作業台になっているのでしょうか、縫い掛けのエプロンと針が。

 カウンターの奥は厨房なのでしょう、甘い香りはそちらから漂ってきます。

 誰かが、お料理をしているのでしょうか?

(あれ…?)

 あなたはふと、ほんの少しの焦げの匂いに気がつきました。

「ちょっと! リゼット、焦げてるわよ!」

「た、大変ですのー!!」

 それと同時に、女の子たちの悲鳴――たいへん、お菓子を焦がしてしまったみたい。

「とほほですの。クッキーを焦がしてしまいましたの〜…。」

 続けて、仕切りがわりのカーテンをくぐって、しょんぼりとした女の子が厨房から姿を現しました。

 女の子は、あなたという来訪者の存在に気付いたようです。

「あ、お客様ですのね! 少々お待ちください、いまキョウ子お姉さまを呼んで来ますの。」

 女の子はそう言って、どたばたと再び厨房の奥へと姿を消しました。

「ごめんなさぁい♪ 少々、お待ちくださいねぇ♪」

 厨房から、店主のものでしょうか、艶のあるハイ・バリトンが響きました。

 次いで、料理道具を片付けているらしい音や、手を洗っているのでしょう水の音。

 それらが静かになって、その人物は姿を現しました。

「入会希望者さんかしらぁ? お待たせいたしましたわぁ♪ バレンタインの支度をしていたんですのよぉ♪」

 それは黒いうさぎの刺繍をあしらった可愛らしいフリフリのエプロンを身に纏った乙女でした。
 そういえば、町の片隅でアトリエを営む乙女の噂を聞いたことがあります。そう、乙女なのです、たぶん。

 こういうときは深く考えても、良いことはありません。

「ここはエプロンに興味のある人が、集まっておしゃべりしたりするところよ。
 お料理したり、お茶を楽しんだり、趣味の作製なんかも自由に出来るようになってるのぉ♪」

 とまどっているあなたに、店主は説明をしてくれるようです。
 厨房のカーテンの隙間から、二人の可愛らしい女の子がその様子を覗いています。

「エプロンはお料理以外にも、染色とか美術製作とかの現場でも使われてるの。
 可愛らしい刺繍をしたり、フリルを付けたり、ファッションとして楽しむ人も多いのよぉ♪
 それに花屋さんの制服としても使われてるわよねぇ♪」

 エプロンについての熱い語りは、エプロンの文化論にまで発展しそうでしたが、そこで店主は ハッ と気付き。

「あら、やだ、私ったら、ごめんなさぁい。
 エプロンって女性はもちろん、殿方が身につけても素敵なのよぉ。」

 あらあら と頬の辺りに手をあてて、うっすらとピンク色に染まった頬を隠しながら、店主は続けて言いました。
 それから深呼吸をして、気を落ち着けると、あなたに一枚の用紙を差し出します。

「どうかしら、興味はなくて?」

 エプロンの中にうさぎのマーク――どうやらその紙はパンフレットを兼ねた入会申込書のようです。
 乙女たちは期待するような目であなたを見つめています。

 さあ、あなたの答えは――?



コミュニティメッセージ


アリス(275)からのメッセージ:
アンジェリナ「いえいえこちらこそ。あこがれのキョウ子お姉様に喜んでいただけてこの私、幸せ者な限りですわ。」

トリシア「トリシアたちこそ嬉しいですのー♪キョウ子さんにはピンクのリボンが似合いますの〜♪」

アリス「ありがとうだよ、キョウ子さん。催しものにまで使ってもらえるなんて、恐悦至極の限りで…嬉しいなっ(まだまだ他の人の用のエプロンを縫っている)」

キョウ子さん(372)の腰に響くような乙女的バリトン:
キョウ子さん「あらあら、ティルレスさん、お片づけまで手伝っていただいてしまってごめんなさいねぇ。
ふふ、そうねぇ♪ 楽しみは二人で倍増、悲しみは二人で半分こだもの。
人数が増えればもっともっと楽しくなるわぁ♪」

キョウ子さん「ふふ、お言葉に甘えて、今度はアッシュさんに受付をやってもらっちゃおうかしら♪」

キョウ子さん「だってリリィさん、バレンタインだものぉ。乙女としては張り切っちゃうじゃない♪(クスクス)」

キョウ子さん「私はショートケーキにとっても憧れたわぁ…白い生クリームに、あの赤々とした苺♪ 苺が好きだったのかしらねぇ♪」

キョウ子さん「あらあら…そうねぇ、セリーズさんは焦らないことが、た・い・せ・つ♪
リゼさんもお忙しいようだから、あまり無理をなさらないようにね♪」

キョウ子さん「そして、レヴィーさんもいらっしゃい♪ ふふ、よろしくお願いしますわねぇ♪」

キョウ子さん「バレンタイン用に用意した製菓エプロンが役立ってよかったわぁ♪
さ・て・と、次ぎはどんなエプロンにしようかしらねぇ……♪
うぅん、モッカヴィルさんにもエプロンあったほうがいいかしらぁ…。」

リリィ(436)からのメッセージ:
リリィ「そういやこっそーり、前回の日記にキョウ子さんをお借りしました…報告忘れてました、すいません(しょぼん」

駿斗(717)からのメッセージ:
駿斗「レヴィナスサん……は。閣下の所の華の方Σはじめまして。閣下にお世話に成ってます美作いいます、宜しくお願いします、で(ぺこん」

駿斗「です。俺も未だに信じられずに居るンです……(真顔)<キョウ子サン」

セリーズ(1226)からのメッセージ:
セリーズ「そかなぁ? アシュレイさんが受付って結構ポイント高そうな。ほら、執事さん執事さん
(致命的にスーツと燕尾服の区別がついてない娘)」

リゼ(1237)からのメッセージ:
リゼ「いつの間にか、コミュの案内ページにわたしも居て驚きましたの!(セリーさんから言われて気付いた)キョウコお姉様、いっぱいお疲れ様ですの。今日はまた、新しいエプロンを(高級装飾で)作っていただけるから、楽しみですの〜♪」




コミュニティ参加者


 ENo.243 Bo-peep's sheep兎蟲
 ENo.275 アリス・トルテぶーみん
 ENo.372 鳴尾 恭平D'yquem
 ENo.419 アシュレイ フォーマルハウトH2SO4
 ENo.436 リリエル=アストラム=ランディアラム
 ENo.717 美作 駿斗Kitty Guy
 ENo.1226 セリーズ=R=バロックシークつくばん
 ENo.1237 リゼット=クレイモールドリゼットPL
 ENo.1250 レヴィナス=ブロッサムマリア