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探索15日目 基本行動の宣言を確認しました。 「生産行動」の宣言を確認しました。 「遺跡外行動」の宣言を確認しました。 |
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豊かな胸を覆っていた下着が取り外され、積み重なった衣服の上に捨てられる。その上にスカートが重なるまで、さして時間がかかることはなかった。 姫川琴子は一糸纏わぬ姿――いや、下の下着は脱いでいないし、靴下も脱いでいないから厳密にはそうではないのだが――でオレの前に佇立していた。 見てはいけない。顔を背けようとしたところで、オレはあることに気が付いた。 晒された彼女の裸身は、傷だらけだった。 肩や二の腕、腹部や胸部、ありとあらゆる部位に傷跡があり、そのすべてが刃物か何かで傷つけられたような跡なのだ。場所によっては火傷でもしたのか変色していた。傷は服を着てしまえばまずわからないところに集中しており、腕の関節から先、太股から先にはあまり目立つ傷はなかった。 その壮絶さに、かえって瞳を離せなくなる。 「ひ、姫川、お前、そ、その傷」 「この傷はね、神崎くん。君がやったのよ」 おい。今なんて言ったんだ、姫川は。オレが、神崎暁が、それをやった? オレガソレヲヤッタ? 心拍数が上がる。呼吸が苦しくなる。 呼吸が苦しくなったんじゃない、息を巧く吸うことができないだけ。大丈夫、オレはまだ物事を正常に認識できる。それに見てくれよ、なぁ、足の振動が地震みたいに止まらないんだぜ。 「姫川、冗談、よ、よせよ。オレの記憶がないからって、そういうこと、よくない、ぜ」 「私は嘘をついてないわ、神崎くんが覚えてないだけ」 姫川の声は揺るがない。表情にも動揺の色はなく、また他の色もないように見えた。嘘をついていないのか? それとも、姫川はこんなにも平然と嘘がつけるのか? 「私ね、マゾヒストなの。叩かれるのも、斬られるのも、罵倒されるのも大好き」 姫川は堕天使の微笑を浮かべる。 やめろよ、姫川。そんな笑顔、するなよ。 オレの頭脳が現実逃避を開始する中、狂ったように姫川は口走っていく。 「最初に気が付いたのは小学六年生の頃だったかしら。図工の時間、彫刻刀で怪我しちゃってね、結構深い傷で大変なことになったのよ。周囲の皆は『大丈夫?』『平気?』って聞いてきたけど、私はそれどころじゃなかったわ。だってとても気持ちよくて、目の前が真っ白になってしまったんだもの。それから毎日、私は快感を求めたわ。もちろん両親にばれると大変だから、ちゃんと場所は選んでやったわよ。でも一番気持ちよかったのは、他人に傷つけられること。ねぇ覚えてないかしら、神崎くん。君、私が頼んだら笑顔で引き受けてくれたのよ」 右足が半歩、退く。 「嘘だ」 「全部本当の話よ。私、嘘はあまり好きじゃないもの」 「嘘だッ!」 「じゃあ、試してみる?」 姫川の手がゆっくりと差し出される。その手にはいつの間にか、刃渡り数センチ程度の刃物が握られていた。果物ナイフ、というやつに分類されると思われる。 いつの間にか? いいや違う。彼女は服を脱いだときには、もうそれを握っていたのだ。単にオレの頭が参り始めているだけだ。姫川の手にある刃物が、書庫の闇の中で怪しく輝く。 「さぁ、手にとって」 「できない」 姫川は訳がわからないといった顔をする。この状況下で如何にして、そのような表情を形作る彼女にオレは狂気の類を感じつつあった。オレができないということ、そのことを純粋におかしいと思っていなければきっとこの感情を生み出すことはできない。 どっちがおかしい。第三者、誰か返答を願う。 「どうして? 記憶を失う前、神崎くんしてくれたでしょ」 「そんなこと、できるわけがないじゃないかッ!」 「大丈夫よ、怖がらなくていいわ。前はできていたんだもの、きっと君ならできる」 まるで試験で悪い点数を取ってしまった子供をあやすように言う姫川。できる、できないの問題じゃない。こんなことをできる人間、人間としてどうかしている。 「それにもしかしたら、昔のことを思い出すかもしれないわよ」 昔のことを思い出す。それは周囲の人間たちの願望。オレがそれを望まないとしても、できるだけそれに応えようとした願望だった。守れなくとも、知ろうと努力することだけは忘れなかった。 この時、オレははっきりと決意を固めた。 姫川の言うことが事実なのだとするのなら、オレはオレであることを望む。人を傷つけることを笑顔で承諾するような人間に戻るくらいなら、今のままのほうがいいに決まっている。 鈴音の意思も、叔父さんの意思も、すべての意思を無視して生きることを選ぶ。 「早く取って。早く傷つけて。もう我慢できないの」 姫川の手が伸び、オレの手に刃物を押し付けてくる。オレがそれを受け取ると、姫川は潤んだ瞳で熱い吐息を吐いた。官能的な仕草に精魂を持っていかれそうになる。 姫川はくるりと背を向け、後方を窺うように首を回した。 「最初はゆっくりね。焦っちゃ駄目よ」 寒いのか、これから来る快感に心が躍るのか、姫川の身体は震えていた。 オレはナイフを畳みズボンのポケットに仕舞い、制服の上着を脱いだ。姫川が音に気が付いて振り返るよりも前、オレは自分の上着を彼女の裸身の上にかけた。 冬の季節、上着なしで動き回るのはとても寒かった。ただ、それは姫川も同じことだろう。 自分の荷物を取り、書庫の出口に向かう。ノブに手が届いたところで、背後から嗚咽が聞こえた。 「どうして? どうして昔みたいに、私を傷つけてくれないの?」 お前、頭どうかしてるよ。そう言わなかったのは、ここ一週間自分に接してくれた彼女へのせめてもの手向け。 これ以上姫川に関わって、自分がまともでいられる自信がなかった。自分の記憶が戻り、この環境を普通と思えるようになってしまったらきっと後悔する。 過去の自分が本当に姫川琴子に、そういったことを本当にしていたことは判別し難い。だが姫川の頭が到底、まともなものではないことは身をもって体験した。こんなのはもう御免だ。 姫川が何かを言う前に、オレは書庫の扉を潜った。明日から彼女が何を言っても無視することにする。謝罪の言葉も聞き流してしまおう。 近藤の言葉は正しかった。あいつの言葉を少しでも疑ったオレが馬鹿だった。 だが、オレの中には釈然としない気持ちがあった。それは姫川への悔恨の責だとかではなくてもっと別な、違和感に似たある種の第六感のようなものであった。 雰囲気に流されて聞きそびれてしまったが、オレはあの書庫で気絶した理由は何だったんだ? 廊下を歩く自分の足が、心なしか速くなった。急いで家に帰りたくなった。 とても、とても嫌な予感がした。 そしてその予感は、数秒後に現実となったのだが。 * 焦燥感に駆られてリノリウム張りの廊下を進む。正面玄関まであともう少しというところで、職員室の目の前に差し掛かった。その扉の前を通り抜けようとしたとき、いいタイミングで扉が開く。 担任の近森だった。彼はこの時間にオレがいたことに驚いたのか、それとも扉を出てすぐに誰かと対面したことにびっくりしたのか定かではなかったが、兎に角、「おや?」といった表情をしたものだった。 「何だ、神崎。まだ残っていたのか」 「ええ、委員会の仕事があったもので」 「そういえば、お前は図書委員だったな。早速委員会の仕事に復帰するとは、なかなか関心だぞ」 「はぁ、それはどうも」 適当に社交辞令を述べて立ち去ろうとすると、不意に近森の視線がオレから外れた。位置からしてオレの背後のほうだろうか、何かを発見したかのような色が瞳に宿っているように見えた。 ひたり、ひたり、ひたり。定期的感覚で、何者かの歩む音が聞こえた。 そこに何があるのか、そこに誰がいるのか。何となく想像がつく。運動部の連中もいなくなった今、学校に残っている人物はかなり絞られる。 巧く説明することができないが、オレは振り返ることに抵抗を覚えた。 「ん、おい。そこにいるのは誰だ」 誰何の問いには、誰も応えなかった。 「おかしいな、今そこで確かに何かが動いた気がしたんだが」 恐る恐るオレも振り返ってみるが、背後の先の廊下には黒洞々たる暗闇があるばかりであった。あるだろうと予想していた姫川の姿はない。胸の奥から安堵の息が漏れた。 「気のせいじゃないですか」 「いや不審者かもしれん。少し見てくる」 近森は漫然とした足取りで廊下の奥へと歩いていく。 本来なら彼は暗闇へ消えていくはずだった。はずだった、というのも近森が完全に闇に溶け込むよりも前、彼は暗闇をそれ以上進むことができなくなってしまったのだから。 ひゅん、という風の斬る音が聞こえた。ある日、たまたま見た時代劇のとあるシーン、敵の投擲した苦無が空を舞う効果音にそれはとても似ていた。何とも暢気な発想だが。 目前数メートル先で、近森の身体が揺らいだ。 身構える暇はなかった。何が起こったかを予測するよりも前に、近森の首が消失した。 噴出する血液が廊下の壁、床、天井にまで届き汚していく。想像していたより音は小さい。 衝撃の雷鳴が身体を駆け巡る。そして消失、という表現に誤りがあったことを認知する。膝をついて倒れた担任の身体の傍には、先程まで口を利いていた頭部が転がっていた。 「な」 これはどういうことだ、と脳が論理的に物事を解釈しようとするが、生存欲求は考察の理性をいとも簡単に凌駕し、硬直しかけた身体を強制稼動させた。 状況理解を捨て、背を向けて疾駆する。オレは絶叫をあげていた。 人が突然、死んだ。それだけならまだしも、首が切断された。あんな異常な光景を見てぼさーっとつったっていられるのは、よっぽどの能天気か痴呆症患者のみ。 この瀬戸際では、原因は問題ではなかった。近森が死んだという結果そのものが重要であり、もしかすれば自分もまたそうなるのではないかということが意識すべきことなのである。 よってオレが立ち往生しなかったのは当然であり、これだけの理性を揺るがす現状をまだ中学生の浅はかな脳味噌で処理しようとして、あまり意味のないことまで考察しているのは、オレが自分がまだ正気を必死になって保とうとしているためで、だがその理性を保とうとしている行動がより狂気を煽っていることに今気がつき、いやだからこそ思考の渦が止まらなかった。 皆目解読不可能であろう絶叫に、誰の姿も現さない。近森が宿直の当番をしていたのかもしれなかったが、本人がああなってしまった以上は確認のしようがなかった。 階段を駆け上り、廊下を走り抜ける。どこでもいい、逃げなければ。 そうして、どれだけの時間が経ったかは知らない。 かすかな正気を取り戻したとき、オレはどこかの教室の扉の前でへたり込んでいた。そこは自分のクラスの教室だった。目が暗闇に慣れていたので、机の微妙な配置やら備品でわかる。 自分がここにいるのは、一番通いなれた場所を直感的に安全と見なしたのかもしれない。 呼吸が荒い。利き手を胸に当てて、心臓の高鳴りを抑えようとする。 「そんなに叫ばなくてもいいじゃない」 高鳴りは抑えられなかった。それどころか、余計に早くなった。 教室の窓際のほう、席の机に座る人影があった。窓の外に浮かぶ微かな月光が、その人影の姿を浮かび上がらせている。人影は、制服を着た姫川琴子だった。 慌てて立ち上がり、扉に手を伸ばす。しかし扉はまるでびくともしない。
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![]() | Message |
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みかげ(665)からのメッセージ:![]()
以下のキャラクターにメッセージを送りました。
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リリザ(1388)からの生産行動を許可しました。
スラッシュ に技回数を 6 振り分けました!
ItemNo.6 肉団子入りとろみスープ を捨てました。
現在の体調は いい感じ!
【第15回更新からの闘技大会参加メンバー】
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訓練により 体格 が 26 上昇しました!(能力CP - 28 ) 訓練により 魔力 が 8 上昇しました!(能力CP - 5 ) 訓練により 魔力 が 9 上昇しました!(能力CP - 6 ) 訓練により 剣 のLVが 1 上昇しました!(戦闘CP - 10 ) 訓練により 剣 のLVが 1 上昇しました!(戦闘CP - 11 ) 訓練により サムライ のLVが 1 上昇しました!(上位CP - 10 ) 訓練により サムライ のLVが 1 上昇しました!(上位CP - 11 ) 訓練により サムライ のLVが 1 上昇しました!(上位CP - 12 )
ポーションSP100 を買いました。(- 40 PS)
リリザ(1388)に、 白砂 から 色褪せた外套 という 防具 を作製してもらいました。(- 20 PS) B1F B-2 魔法陣〔開幕の儀〕 に移動しました!
C-2 に移動しました! |
![]() 広大な砂地に薄汚れた石碑がポツンとある。
物語はここから流れる 石碑にはそう書かれている。
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D-2 に移動しました! E-2 に移動しました! F-2 に移動しました!
【合言葉&場所チェック】
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![]() | Next Battle |
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B1F F-2 / 砂地
通常戦が発生!
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![]() | Data (第14回 第16回) |
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ENo.647 マリア・シュアード |
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ENo.1347 水瀬 禮嗣 ![]() ![]() |
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[PL] 裏川狐 |
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